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防湿庫を購入と湿度計の補正をしてみた

一眼レフのカメラレンズにカビを発生させてしまった反省から、特に湿気に注意をしなくてはならない電子機器を保管するために、防湿庫を購入しました。購入前には色々しまうものがたくさんありそうだと考えてましたが、実際に使い始めるとカメラ関係の物しか入ってません。

一眼レフを持っておきながら、除湿を考えたことがなかったかというと、そういう訳でもなく、お安い簡易的なドライボックスを持っていました。これは大きな蓋付きタッパーのようなもので、中にカメラやレンズと共にシリカゲルを入れて除湿をするものです。百聞は一見にしかずなので、下記のようなものです。

ドライボックスはお安くて良いのですが、出し入れするたびに中の湿度がリセットされる感覚があり(実際はシリカゲルが吸ってくれるのでそうでも無いのですが)、入れたらなかなか出したくない意識が働いた結果、使わなくなってしまいました。

|防湿庫の購入

やはり面倒なのはだめだということで、少し高いのですが電気式の防湿庫を購入することにしました。購入する前提で防湿庫を調べてみるとそこにはたくさんの選択肢が広がっていて、老舗から中国メーカの安いものまであります。こういうときは選択に困りますが、その業界に興味を持って調べるという良いきっかけにもなります。

1. 老舗の高いものは日本製or品質保証が日本で安心
2. 老舗の安いものはおそらく中国製品のOEM
3. 中国製品は安いが故障や保証が心配
4. あまり有名ではないが堅実に日本で設計しているところもある

1.は予算オーバーで、2.3.はそんなに変わらないとすると、4.が選択肢として良さげな感じです。気になったのは、Re:CLEANという製品。

販売元を調べてみると、リンテクトという会社でそんなに大きくない会社のようですが、こだわりもって作っている感じで良いです。
おそらく防湿庫自体と除湿ユニットは中国からの調達と思われますが、湿度計だけしっかり日本で作成しているという、価格を抑えるために必要なポイントだけ押さえた割り切りが良いと思います。

安価の防湿庫での除湿ユニットはペルチェ素子を使ったものとなり、ペルチェ素子自体の制御は電流を流すだけなのでそんなに難しくはなく、品質の当たり外れはあるにしろ、各社そんなに差が出るところでは無いと思います。
東洋ビリングの除湿ユニットはゼオライトを用いた独自の物となっており、資金に余裕のある方は、こちらを購入すると間違いないと思います。)

一方、湿度計はアナログ式のものとデジタル式のものがあり、大雑把にアナログは電源不要でデジタルは電源必要という分類になっています。詳しくはネットで検索するといくらでも出てくるので詳細は割愛しますが、一般的にはアナログ式よりもデジタル式のほうが精度寿命は長いようです。

ではデジタル式の方が良いのではというと、そこに電源を配線してセンサで計測をした上、数値表示の液晶が必要となると、組み立てや部材コストが上がってしまいます。アナログ式の方はゼンマイ型のバイマテリアルに針をつけるだけのシンプルさなので、素材と組み立てに気をつければ低コストで精度が高いものが作れます。その部分を信頼のある日本メーカで作るというのは良い選択かと思います。おそらくですが、Re:CLEANの湿度計を制作しているのは、みずさわ気象計器さんではと思います。

|湿度計の比較

ようやく表題の内容に近づきつつあるのですが、せっかくなので手元にある湿度計3つの比較をしてみました。

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1. ドライボックスに付いてた湿度計 (左側) 68%
2. デジタル湿度計 (MONDO Avert) (真ん中) 35%
3. Re:CLEANの湿度計 (右側) 42%

それぞれに個性豊かです。写真を撮るときに防湿庫の扉のガラスの反射が厳しかったので、開けて取りましたが、Re:CLEANの湿度計は扉を開ける前は40%を少し切っていたと思います。反応が早い感じです。またデジタル湿度計はセンサーの応答は早いはずですが、表示するのにヒステリシスを持たせているっぽく、変化がゆっくりでした。庫内の湿度は概ね35-40%の範囲くらいが正解だったと考えます。

となると、困ったのは左のドライボックスに付いていた湿度計です。購入したのが4,5年前なので、経年劣化で金属の状態が変わってしまったのかもしれません。

|デジタル湿度計の分解

まず、デジタル湿度計だろう真ん中のMONDO Avertで使用されている湿度センサが何かを調べてみました。分解は表から外すようです。

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開けてみると液晶に伸びるダイナミックなフレキと基板がお目見えです。基板の中のマイコンらしい部分は樹脂封止されています。

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ネジを外して裏側をみると、湿度センサがありました。小さくポツポツ穴の空いている部品がそれです。

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どういう部品かをネットで調べてみました。
Aosongという中国のメーカのHR202L という部品のようです。
中身は有機ポリマーを使用したと書いてあり、素材はよくわかりませんが、湿度によって抵抗が変化するセンサーのようです。これは直流電圧をかけると劣化するようですが、ゼンマイ式のバイマテリアルよりは制御次第ですが、そこそこの湿度が出てくるのではと考えています。

|アナログ式湿度計の分解

次にゼンマイ式のバイメタルで組まれた湿度計の分解です。
まずはフロント側の透明プラスチックの窓を外します。

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表示パネルの取り出し裏をみると、ゼンマイ式のバイマテリアルのぐるぐるが存在しました。温度、湿度によってゼンマイ式のバイマテリアルが伸縮し、それによって中心の柱が回るというとてもシンプルな構成です。

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バイマテリアルの経年で中心の柱と針の位置づけが変わってしまっているので、今の状態で強制的に針をずらします。後ろから柱を固定して、

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フロントの針をずらし、調整します。

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|湿度計の調整後

無理やりですが、ざっくり調整をした状態でしばらく放置をしてみました。

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そこそこの数字になったかと思います。またずれたら補正していこうと思います。ただ、気になるのはRe:CLEANの湿度が+10%くらい高いです。
Re:CLEANの湿度は±3%と書いてあったのと購入したばかりのなので、実はこれがあっているのかもしれません。
他の湿度計を見つけたので比較してみました。

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Re:CLEANの湿度計が正しいのかもしれません。よくわからなくなってきたので、深追いはしないことにしました。

|最後に

途中から道を外れましたが、記事として言いたかったことは、Re:CLEANの防湿庫は良かったと言うことと、湿度計は結構適当であるということです。最近のチップのSensirionなどの温湿度センサーは結構正確だと聞きますので、今度手に入れたら、比較をしてみようと思います。


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