155ヶ月(12年と11か月)毎月やってるこのライブは、音楽を楽しむだけではなく「私」を思い出す貴重な時間
私は好きなアーティストがいて、その人たちは毎月ワンマンライブを行っている。私がファンになってからはまだ数年で、最初はここまではまると思っていなかったから、ライブスケジュールを死守するまでには至らなかったが、今は、数あるライブの中でも絶対見逃したくない。
初めて行ったとき、リクエストだけを歌うという企画の日でいきなりファンの人から受けたリクエストをその場でリハ無しに歌う。という日だった。200曲以上ある曲目の中から、いきなり言われた曲を歌うのはいくら自分たちのオリジナルソングであっても、至難の業のようで、本番なのかリハなのかわからないようなライブだったが、その様子が「うちけーへん?」という親近感に繋がり惹きつけるものがあったのかもしれない。私には正直理解に苦しむ部分があったが、だからか次に行った時のギャップからの引き込まれようは半端なかった。
アットホームな雰囲気のため、まるで友達の家にいるような錯覚がある。通常のライブハウスとは少し心持が違う。ホッとできる瞬間を感じる中で、彼らが、いざ本気で歌った時、その曲に一気に飲み込まれる。歌の物語の中に飛び込んだ気分。
家で映画を見ている時のように、周りを気にせず泣きじゃくってしまうような、お腹抱えて笑い転げてしまうような、そんな感覚。
その感覚を味わった時、リクエスト企画のことを理解できた。片意地張らず自然体でいられる空間。それを彼らから企画として発信してくれたのではないかと思う。
約13年も毎月休まず行っているのだから、そんな1回があってもいい。
それからは、毎月必ず仕事でどうしても抜けられなくても最後の1曲しか聴けなさそうでも、絶対行かないと気が済まないワンマンライブ。(絶対行くと決めてから1回だけ海外出張で行けなかったが)
季節の歌などその時の旬な歌から始まり、途中、誕生月の方を祝ってくれるコーナーやリクエストコーナー、そして必ず311のときに生まれた災害を忘れないようにと未来へ願いを込めて歌う曲がある。間間に繰り広げられるMCは、この距離感だからこそ伝えられる本音ベースのことが多い。
嬉しい事、困っていること、悩んでいること、時には目標とする未来のことまでミュージシャンが本音ベースで語る。表情1つ1つが直に伝わり、お客さんもその思いを受け取る。
ミュージシャンはお客さんの一人ひとりの表情を見ながら、歌を、想いを、発信する。そんなコミュニケーションが生まれる空間。
皆で作り出される一つの空間。それがUchi-K-heN?であり、ライブだと思う。
そんなライブが、今月もある。
感染予防の策から、ライブハウスへの出入りができなくなったが、いつものライブハウスからオンライン配信される。
いつものセット、いつもの流れ、いつもの空間。
今は同じ場所にはいられないけど、ライブハウスの匂いを感じれるような時間がとても愛おしい。
社会人になって、仕事を夢中でやってきた。今もやっている。それなりの役職について、あまり身近な人と本音ベースで話すことが少なくなった。昔からの友人はそれぞれの場で頑張っているし、わざわざ集まってまで自分を表すことが少なくなった。振り返ると、ただの「私」でいられる時間が少なくなった気がする。
このライブは、音楽を楽しむだけではなく「私」を思い出す貴重な時間にもなっている。
ありがたや、ありがたや、それを励みに明日も頑張る。
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記念すべき?!丸13年の1か月前、155回目は、6/5(金)19:30から
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