カメレオンの眼*8

一週間を終えた。社会人になってから二度目の金曜日ではあるが、全うしたのは初めてである。いわゆる〈華金〉を実感した。

同期と食事をする予定だったので、金曜の夜の街へ繰り出した。
すれ違う人々の表情をちらと見る。見知らぬ人であるにもかかわらず「お疲れ様でした」と明るく言葉をかけたくなる、そんな空気が街には漂っていた。
店へ向かう私の気持ちも、少しずつ高揚していく。

家でも外でも、普段からお酒を飲むわけではないので、場所にも影響を受けたのか早い段階で酔いを感じた。
同期で集まって話をしていると、職場にいるときとはまた違って良い。三人でいると楽しいとも思った。社会に出たばかりの、先月まで学生だった三人。まだ抜けきらない学生っぽさもあるという自覚もあるが、そんな今を大切にしたい気もする。
たわいもない話をしている時間。

街ゆく人々も同じ頃、話に花を咲かせていただろう。
さて、来週も励もうという気持ち。