カメレオンの眼*6

大学の友人が「電話しない?」と私たちに声を掛けた。
4年間互いに心を支え合っていた私たち。
先月末の卒業式で、名残惜しい別れを告げて以来の連絡だった。

新しい環境へ踏み出すことで切れてゆく縁は少なくないと思っている。これまでの経験も踏まえて。
正直なところ、私たちのこともそれに当てはまる可能性はあって、何年経っても変わらない関係でいるとは断言できない。これは以前から考えていたし、今も同じ。

ただ、こんなにも早く再会(直接会っているわけではないが電話で)するとは思っていなかった。
いや、この機会を逃したら、それこそ疎遠になる可能性は高まっていたとも考えられる。高校生時代に仲が良かったあの人と、今では連絡を取り合わなくなったように。それまで〈地元〉しか拠り所がなかったあの頃のように。

ちょうど良いタイミングだったのかもしれない。
話を聞いてもらいたい、それなら私は聞き役に徹しよう。そう思っている。

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