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ウルドゥー・カリグラフィー

ウルドゥー・カリグラフィーはウルドゥー語を書くための美しい芸術的な文字のスタイルです。ウルドゥー語は主にインドとパキスタンで話される公用語であり、ウルドゥー・カリグラフィーはアラビア文字を基にしています。アラビア文字は右から左へと書かれ、連結された書体が特徴的です。ウルドゥー・カリグラフィーのスタイルには以下のようなものがあります。

ナスタアリーク体(Nastaliq): 14世紀後半にイランで開発された書体です。最も一般的なスタイルであり、書体は流線的、流麗、優美、曲線美な筆記体です。詩や文学作品の引用によく用いられます。

ナスタアリーク体

ナスフ体(Naskh): 10世紀初頭にアッバース朝で開発された書体です。こちらも一般的なスタイルであり、書体は直線的で美しい曲線を持ちます。文字の優れたバランスと美的な要素を特徴としています。

ナスフ体

スルス体(Thuluth): 11世紀にはじめて現れ、流麗で丸みを帯びた筆体です。母音記号や装飾のマークを含む場合があり、文字が連結されることで美しい書体を作り出します。曲線やループが特徴的で、文字間の間隔も重要な要素です。

スルス体

ディーワーニー体(Diwani): 16世紀から17世紀初期にかけてオスマン帝国で成立した筆体です。曲線やフックが特徴的で、文字の形状がより複雑であり、より芸術的な表現がされています。

ディーワーニー体

ウルドゥー・カリグラフィーは、書道家や芸術家によって広く実践されており、詩や引用文、宗教的なテキストなどさまざまなテーマに使用されます。書体や装飾は、書道家の個々のスタイルや創造性によっても異なります。文字の美しさと芸術的な価値を強調するだけでなく、ウルドゥー文化やアラビア文字の伝統にも根ざしています。

画像はWikipediaより