パキスタンの郵便切手
パキスタンの郵便切手は、1947 年の独立以来、単体とセットの販売をあわせて、合計 1300 以上の切手を発行しています。
パキスタンの郵便切手は、多種多様なデザインが特徴で、この国の豊かな文化遺産、歴史的出来事、イスラム美術、ムハンマド・アリー・ジンナーやアラマ・イクバルなどの著名な人物、アブドゥッサラームなどのノーベル賞受賞者など、さまざまなテーマを網羅しています。
パキスタン独立後すぐに発行された郵便切手は、英領インド時代に使われていたジョージ6世国王の切手に「パキスタン」という単語が重ね刷りされたものでした。インド・ボンベイ北東のナーシクという町で重ね刷りされたことにちなんで、「ナシック・オーバープリント」として知られています。
パキスタンの最初の郵便切手は、葉っぱで覆われた、イスラムを象徴する三日月と星のモチーフにして、内側にパキスタンという文字が描かれました。パキスタンの画家チュグタイのデザインが選ばれました。当時はパキスタンには独自の印刷機がなかったため、郵便切手はロンドンで印刷されました。
1948 年には、カラチの空港、サッカル堰、カイバル峠などがデザインされた郵便切手が発行されました。
1952 年には、シールワックス切手100 周年を記念して2枚の切手が発行されました。記念切手には、シールワックス切手が左上隅に描かれているほかに、ラクダから飛行機まで、輸送における進歩が示されています。
1954 年には、イタリア人によるK2初登頂の記念切手が発行されました。同年、独立7周年を記念して、ギルギット渓谷、カガン渓谷、バードシャーヒー・モスク、ジャハンギール廟、農産物(綿、茶、ジュート)の7枚セットの記念切手が発売されました。
2022年には、パキスタンと日本の外交関係樹立70周年をお祝いするため、記念切手が発行されました。
郵便切手は、パキスタンの歴史とアイデンティティの大きな部分を担っています。英領インド時代のささやかな始まりから独立国家としての地位に至るまで、パキスタンの切手はその歩みと進化を記録してきました。それらはその成果、文化、多様性を称賛すると同時に、人々のコミュニケーションと記念の手段としても機能してきました。