電子たばこ販売を初承認
米食品医薬品局(FDA)は10月初めて電子たばこ商品の販売を承認した。承認された商品は喫煙常習者の禁煙、あるいは喫煙量の削減に役に立つ可能性があるとされた。FDAは、たばこはどのような種類であっても「有害だ」と警鐘を鳴らしている。これはFDAが言わずとも誰にでもわかる話ではある。つまり承認したのは喫煙量の削減に役に立つ可能性を期待されているからであってたばこ自体が有害であることには変わりない。実際のところ、喫煙者は疾患率が高く、長生きできない傾向にあることはあきらか。FDAは10代の若者に訴える可能性を懸念とし、電子たばこや関連商品の100万件以上に上る申請を却下している。それが故に今回の例は完全な例外ケース。
たばこで死亡率は上がる
国立がん研究センターはたばこを吸ったことがない人、むかし吸っていたけど止めた人、吸っている人の3グループで、 10年間の死亡率を比べている。たばこを吸う人の死亡率は、吸ったことがない人と比べて、男性では 1.6倍、女性では1.9倍と高いことが判明している。心臓病や脳卒中などの循環器疾患(男性1.4倍、女性2.7倍)、その他の死因(男性1.6倍、 女性1.4倍)のいずれでも高い傾向にあり、たばこがいかに有害か証明している。喫煙をやめれば、たばこを吸ったことがない人と同じ水準まで健康状態が戻ることもわかっている。また同研究ではがんでの死亡率が飛躍的に上がることを指摘しており、喫煙に対して警鐘を鳴らしている。
有害物質が多いたばこ
たばこの煙には4000種類以上の化学物質が含まれており、そのうち約200種類以上が毒物、約60種類は発がん性物質。中でも三大有害物質と言われるのが、ニコチン、タール、一酸化炭素で、これらの成分により、さまざまながんを発症するリスクが高まり、肺がんによる死亡の危険性はノンスモーカーの約4.5倍、咽頭がんは約32.5倍にも及ぶということが分かっている。また心臓や血管系にも影響を及ぼす。血管の収縮による血圧の上昇、血液の粘度の上昇、動脈硬化の進行、心臓への負担の増大などが挙げられ、こういった状況が長く続けば、やがては狭心症や心筋梗塞といった命に関わる病気につながったり、手足の血管がつまり、腐ってしまうなどといった危険性もある。
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