医療のデジタルトランスフォーメーション
「DX(Digital Transformation/デジタルトランスフォーメーション)」とはなんなのか。2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念。その内容は「進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにしていく」というもの。コロナ禍ということもあり、医療のデジタルトランスフォーメーションが進んでいる。アメリカでは20時以降に出歩けば、職質され、最悪逮捕されるという状況が続いていたが「非接触ビジネス」全般が大きく市場を広げた。医療では、バーチャルケア、デジタルヘルスアプリの利用が急増している。
アメリカの7割近くが遠隔診療
アメリカでの遠隔診療の普及率は、コロナ直前まで1%程度で、日本と同等だった。しかし、診療報酬が見直され、公的保険が遠隔診療に保険を付けたことから、急速に拡大することになった。現在では診療の6割から7割が遠隔診療となり、今後はさらに加速すると言われている。医療アプリのダウンロードも急増。遠隔医療アプリのダウンロード数はコロナ禍以前に比べて4000%増加した。デジタルによる治療方法も模索されている。精神疾患などの軽度な病気は医療用アプリなどと相性がよく、デジタル治療の取り組みも行なわれている。
2025年問題
2020年時点の日本の総人口は1億2571万人。人口は、ここから右肩下がりに減少。医療現場だけでなく日本全体の問題として叫ばれるのが、まもなくやってくる「2025年問題」。2025年に団塊の世代が75歳以上になり、超高齢化社会が到来する。国民の4人に1人が高齢者ということで医療技術の高まりで高齢者の寿命が伸びるなか、医療現場に担う若者は年々減少していくという恐ろしい状況が予測されている。そんななかで日本も医療の革新が迫られている状況だ。アナログからの脱却が至上命題となっているが、日本は非常に足が鈍く進んでいないのが現状。デジタル化により、医療関係者の業務効率化や労働力不足の解消することが最重要課題である。オンライン診療、オンライン問診票などが今後の話題になるだろう。