ノババックス製ワクチン
アメリカのバイオ医薬品企業・ノババックス製の新型コロナウイルスワクチンが、インドネシア当局に緊急使用が許可された。このノババックスワクチンはファイザーやモデルナワクチン、さらにはアストラゼネカのベクターワクチンなどと比べると有害事象の発症率がとても低いと言われており、死亡することもないという。日本政府はノババックス製のワクチン1億5000万回分を購入する契約を結んでいて、ノババックスは、日本へも近く承認申請する予定。ヨーロッパ連合もノババックスワクチンを2億回分契約している。ノババックス製は、B型肝炎や破傷風なとで用いられている組み換えタンパクワクチンでありすでに長く使われ実績もある手法のため、安全性が高く、副反応も少ない。武田薬品工業が技術移転を受けて国内で生産する予定であり、保存温度も2~8度で流通管理がしやすいという利点がある。アメリカとメキシコで約3万人を対象に行っている新型ウイルスワクチンの最終段階の臨床試験で、90%の有効性が確認され、重症化を防ぐ効果は100%だった。
従来のコロナワクチンとの違い
ノババックスワクチンは組み換えタンパクワクチンという「大腸菌などに作らせたウイルスのタンパク質」の一部をワクチンとして接種する。ファイザーワクチンやモデルナワクチンはmRNAワクチンという「ウイルスのたんぱく質の元になる遺伝子情報」の一部をワクチンとして接種する。組み換えタンパクワクチンはB型肝炎、インフルエンザのワクチンに使われていて、過去の実績もあるので安全性が高く副反応も少ない。ワクチンを接種するとコロナウイルスが体内に入ってきたときにウイルスの活性化を抑える作用があり、コロナに感染しない、感染しても重症化しないよう働く中和抗体が生成されるようになる。