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寿命回避速度

人類の平均寿命は、今でこそ、80歳を超えているがそれは20〜21世紀の話でしかない。自分はあと何年生きられるのか。日本の平均寿命は男性82歳、女性87歳なので、そこから今の年齢を引いた年月が、残りの時間と考えていいだろう。しかしそうした単純計算は、AIや科学の進歩を全く考えていないと言える。今は科学技術や医療の進歩にともない、平均寿命も右肩上がりで100歳を超えるのは確実だろう。世界各国ほぼ右肩上がりに上昇している。そしてここ近年科学技術の進歩と医療とのコラボレーションにより、老化治療薬も開発されてきている。そんな背景もあり、人工知能 (AI) 研究の世界的権威で、シンギュラリティ(技術的特異点)の提唱者で未来学者でもあるレイ・カーツワイル氏は「人類は、あと10〜12年で、寿命回避速度に突入するだろう」と指摘しているのである。

レイ・カーツワイル

1948年生まれのアメリカ合衆国の発明家、実業家、未来学者、思想家。スティービー・ワンダーとともに立ち上げたカーツウェル・ミュージック・システムズを設立し、シンセサイザー製品であるKurzweil K250を世に送り出す。1974年カーツワイル・コンピューター・プロダクツ社を設立し以後数々の発明を世に送り出しアメリカの「発明家の殿堂」に加えられた。1990年には米国出版社協会から「ベスト・コンピュータ・サイエンス・ブック」に選ばれた。

寿命回避速度とは

"longevity escape velocity"という概念。日本語では「寿命から逃れる速度」、「寿命回避速度」と直訳できる。寿命回避速度とは、医療の進歩にともなって長寿化が加速し、老化の速度を超えること。つまり、寿命の延びが老化速度を追い抜くゆえ人類は(事故死を除く)永遠に死なないということになる。

以前の記事でも言及したように今世界各地で老化治療薬の開発が進んでいる。10年も経てばいくつかの薬が承認され、一般人レベルで不老長寿が実現している可能性は十分ありえる。10年後に生まれる人たちの中には、「老い」という概念すら存在しなくなるかもしれない。もしかしたら人生1000年時代が来るのかもしれない。

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