ギャンブルをやめ(ようとし)た話。
7です。1年半ぶり。
唐突ですが、自分の趣味は、サッカーをはじめとしたスポーツ観戦、旅行、2次元のコンテンツと色々あって、それに加えてギャンブル…主に競馬も趣味の1つで…、
やめる!つもりだった。
うちの母方のじいちゃんもギャンブルが好き(埼玉に住んでいたのもあって、生前よく戸田競艇に行っていた話は存命のばあちゃんからも母親からもよく聞く)だったのもあり、
「血は争えない」
などと言って、自分もギャンブルをやっている。
ただ、しばらく熱中してわかったが、じいちゃんのやっていた競艇は良くも悪くも「運」で、1号艇の選手がびっくりするほど強くても、2号艇にぶつけられてる間に6号艇がこんにちはして、荒れて頭を抱えるーー。を何度繰り返したことか。
そういったこともあり、競艇でガッポガッポしてたじいちゃんとは違い、自分は色んな可能性のある競馬をメインとしていた。競馬も「運」ではあるが、それでも1周2マークを回れば大体何も起こらない競艇と比べると、ドキドキや高揚感は競馬の方が上だと思っている。
ただ、この12月末から1月くらいまで、びっくりするほど回収出来なかった。もちろん自分の見る目がないのだが、中山競馬が大の苦手なのと、買うレースでいかんせん荒れてしまったということもあり、ギャンブルに嫌気がさしていた。
そして最近、
(今は伏せておくが、)個人的にも色々あり、ギャンブルをやめる決意をした。
やめる決意をしたのは個人的に好きなジョッキーの福永祐一の引退かつ調教師への転身の発表のときだと思う。好きなジョッキーが引退するなら、個人的にもいいタイミングの引き際だろうと個人的に思い、ギャンブルをやめるつもりだった。
だった。
ブックマークやTwitterのフォロワーからギャンブル情報サイトを外し/消し、目に入れないように努めた。ただ、それでも「福永の引退までは、複勝数百円くらいで、嗜む程度にはギャンブルをやろう」と考え、全部は全部消さなかった。
人間は弱いのだ。
「エッ、東京新聞杯にナミュールとピンハイが出るの」
何回も買って、何回か裏切られ、何回か笑顔にさせてくれた馬。信じないわけにはいかない。
馬券を買った。外れた。もうやらない。
やらないはずなのに、先週の木曜日に、リモート研修で退屈をいいことに笠松競馬をやって、800円を15000円にした。
やめられるわけがない。この快感を手にしてしまった以上、ギャンブルからは逃れられないのだ。(ちなみにこの15000円は、土曜の中央平場で溶かしたのは内緒)
(あと俺が「令和のオグリキャップ」と称したスタンレーはなんで笠松の平場ごときでも負けてんねん)
逃れられないのだーーー。
日曜日も、15時からみんなのKEIBAをつけた。
GⅡ・京都記念を見なければ。
この京都記念の出走馬は、
ダービー馬・ドウデュース、個人的には青葉賞で美味しい思いをさせていただき、ダービーでも好走・5着のプラダリア。
そして、2021年の年度代表馬・エフフォーリア。
その他にも色々な強い馬がいたが、メンツだけ見るとGⅠにも匹敵するような、期待のレースだった。
自分はプラダリアとエフフォーリアを軸に、厚めに買った。
プラダリアは、「流石に馬券内には来るだろ」と、もう脳死で買った。出走登録の時点で、買うのを決めていたレベルで。
エフフォーリアは、パドックでの状態は最高だった。
しかし、それだけでは買えない。不安要素はいっぱいあった。
ただ、2022年の有馬記念、中山競馬場に行った自分の眼前を疾走していったゼッケン7番の馬が脳裏に残っていたのだ。
強いエフフォーリアがもう一度見たい。
その思いで、軸で馬券を買った。
結果から先に言うと、ドウデュースの大勝…圧勝…。国内に敵はいないのではないかと思ったくらいの勝利だった。プラダリアは3着。3連複でマテンロウレオを買ったのもあり、自分は3連複は取っていた。
しかし、そんな馬券なんかどうでもよくて、3コーナーから減速し、ゴール板前でジョッキーが下馬しているエフフォーリアを見て、泣きそうになった。
あんなに強い馬が、あんなにかっこいい馬が、あんなに早かった馬が、競走中止??
もし怪我でもしてて、予後不良になったら??
泣きそうだった。東京メインも買っていたが、それどころじゃなかった。
エフフォーリアの方も結果から言うと、心房細動。
簡単に言えば一時的なもので、「即安楽死」のような、最悪の事態には至らず、という形ではあった。
その2日後の火曜日、エフフォーリアはクラブが引退を発表した。
今後は種牡馬になるようで、第二の馬生を送れると思うと、安楽死や大怪我を負うのと比べたらものすごい安心はしたが、ものすごい寂しさに襲われた。
自分の競馬歴はしれっと2年未満なのだ。競馬を始める直前までは、本当に「ディープインパクト」しか知らなかったレベルである。
その2年の中で、初めて見た「すごい強い馬」だったのだ。
そんなすごい強い馬が、5歳とはいえ、こんな結末で引退するのだ。普通はGⅠや重賞を勝ってラストランとかするもんじゃないのか。嘘に決まってる。
去年の有馬記念、4コーナーや返し馬で、あんなに強いところを見せてくれたのに。
それでも、種牡馬となる。
産駒に期待しなければ。
産駒の新馬戦は、絶対に買わなきゃ。
ってなった時に、競馬は結局はやめられないのだ。
競馬は意外と点と点が多い。
「あっ!あの時買ってブービーになってふざけんな!」ってなった馬が出てきても、「今日は勝つだろ…」って馬券を買う。結果はどうであれ、その時に点と点がつながり、線になる。
多分それは産駒にも通ずるのだ。
エフフォーリアに夢を見たから、エフフォーリアの子どもにも夢を見なきゃいけない気もする。点と点が線になる。
そうなったら、競馬はやめられない。
ただ、実はやめなくていいものだと思う。
夢を見て、夢を託して、夢を叶える。
競馬ってそういうスポーツだったのか。とエフフォーリアの引退を見てそう感じた。
このエフフォーリアの引退で、競馬はギャンブルではなくスポーツなのだと初めて思った。冗談では言っていたが、真剣には初めて思った。
だから、ギャンブルは引退せず、「もうちょっと」の対義語である「もうかなり」だけ、夢を見たいと思う。
まだまだ自分には夢を託しっぱなしの馬(特にライラックとかライラックとかライラックとか知らぬ間に強くなってるノースブリッジとか)がいるので、そいつらが自分の夢を叶えてくれたら、安心してギャンブルから足を洗おうと思う。早く夢を叶えてくれ。
最後に、エフフォーリアは、夢を見せてくれてありがとう。
初めて見た「本当に強い馬」だった。
秋天で120円にしかならなかった複勝を買ってから、ずっと好きだったのかもしれない。
切った時もあったけど、「やっぱり買えばよかったかなあ…」は尽きなかった。去年の有馬記念の返し馬は最高だったよ。来なかったけど、買わなかったことを後悔した。
京都記念で、最後に軸で買えて本当によかった。
種牡馬として期待してます。
当然のことなんだろうけど、武史も最後は下馬して、ゼッケンや馬具を即外してくれてありがとう。俺が好きだった馬への、愛や色んな感情を感じられたよ。
人馬ともに、本当にありがとう。寂しいよ。
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