CD4+T細胞の微生物叢依存的活性化は、Fcγ受容体を介してCTLA-4遮断関連大腸炎を誘導する

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VOL. 383, NO. 6678
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研究論文
免疫学
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CD4+T細胞の微生物叢依存的活性化は、Fcγ受容体を介してCTLA-4遮断関連大腸炎を誘導する

https://www.science.org/doi/10.1126/science.adh8342?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%20%200pubmed

BERNARD C. LO HTTPS://ORCID.ORG/0009-0001-4637-6121, ILONA KRYCZEK HTTPS://ORCID.ORG/0000-0002-3130-2533, [...], AND GABRIEL NÚÑEZ HTTPS://ORCID.ORG/0000-0002-6529-2695 +10著者著者情報&所属
科学
4月 2024
383巻 6678号
pp. 62-70
DOI: 10.1126/science.adh8342
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編集者要約
免疫チェックポイント阻害剤を用いたがん免疫療法は、T細胞活性化の負のシグナルを遮断して腫瘍に対する免疫応答を行うが、同時に免疫病理を引き起こす可能性もある。大腸炎は、チェックポイント阻害剤である細胞傷害性Tリンパ球タンパク質4(CTLA-4)を標的とする抗体による治療を受けた患者において頻度の高い重篤な有害事象であるが、このような反応を引き起こす根本的なメカニズムは不明である。Loらは、マウスのCTLA-4遮断による大腸炎は腸内細菌叢の構成に依存しており、T細胞の無制限な活性化と、抗CTLA-4抗体のFcドメインを認識する受容体による腸内の制御性T細胞のサブセットの同時枯渇によって引き起こされることを示している。Fcドメインを欠く抗CTLA-4ナノボディは、大腸炎を誘発することなく抗腫瘍免疫を刺激することが判明した。これらの知見は、炎症毒性を軽減した次世代CTLA-4阻害剤の開発をサポートする可能性がある。-STS
要旨
免疫チェックポイント阻害薬は抗腫瘍免疫を刺激することができるが、免疫関連有害事象(irAE)と呼ばれる毒性を誘発することもある。大腸炎は一般的で重篤なirAEであり、治療中止に至ることもある。チェックポイント阻害剤を投与した実験用マウスでは頑健な大腸炎が観察されないため、腸管irAEsのメカニズム解明は妨げられてきた。われわれは、抗CTLA-4抗体による治療後に明白な大腸炎を発症する野生マウスの微生物叢を保有するマウスを用いることにより、この限界を克服できることをここに報告する。腸の炎症は、IFNγを産生するCD4+ T細胞の無制限な活性化と、Fcγ受容体シグナルを介した末梢誘導制御性T細胞の枯渇によって引き起こされる。従って、Fcドメインを欠く抗CTLA-4ナノボディは、大腸炎を誘発することなく抗腫瘍反応を促進することができる。この研究は、CTLA-4遮断による抗腫瘍刺激効果を維持しながら、腸管irAEを緩和する戦略を示唆している。
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参考文献と注釈
1
A. D. Waldman, J. M. Fritz, M. J. Lenardo, A guide to cancer immunotherapy: T細胞基礎科学から臨床まで。Nat. Rev. Immunol. 20, 651-668 (2020).
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E. Soularue, P. Lepage, J. F. Colombel, C. Coutzac, D. Faleck, L. Marthey, M. Collins, N. Chaput, C. Robert, F. Carbonnel, 免疫チェックポイント阻害薬による腸炎: システマティックレビュー。Gut 67, 2056-2067 (2018).
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