サルモネラ菌の病原性を活性化するpH感受性のスイッチ

サルモネラ菌の病原性を活性化するpH感受性のスイッチ
ORCID プロフィールを見るDasvit Shetty, ORCID プロフィールを見るLinda J Kenney
doi: https://doi.org/10.1101/2022.12.15.520350
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要約
SsrBは、非チフス菌であるSalmonella Enterica serovar Typhimuriumの病原性生活様式とバイオフィルム生活様式の間のスイッチとして機能している。感染時には、リン酸化されたSsrBが、マクロファージ内での生存と複製に不可欠なSalmonella Pathogenicity Island-2 (SPI-2)上の遺伝子を活性化する。液胞内の低pHは、発現とSsrB活性化の重要な誘導因子である。以前の研究では、低pHでSsrBタンパク質量とDNA結合親和性が増加することが示されたが、その分子基盤は不明であった(Liew et al.、2019)。本研究では、その基礎的なメカニズムとin vivoでの意義を解明する。1分子アッセイおよび転写アッセイを用い、SsrB DNA結合ドメイン(SsrBc)だけでは酸性pH感受性を誘導するのに不十分であることを報告する。その結果、SsrBcはDNA結合ドメインだけではpH感受性を誘導できず、レシーバドメインの保存残基であるHis12がアロステリックにSsrBにpH感受性を付与していることがわかった。また、酸依存的なDNA結合は非常に協力的であり、SPI-2依存的なプロモーターにおけるSsrBオリゴマーの新しい構成を示唆するものであった。His12はSsrBのリン酸化に関与しており、His12を置換すると中性pHでのリン酸化が減少し、pH依存性の差異が消失した。SsrBのスイッチの切り替えに失敗すると、サルモネラ菌は無病化することから、病原性を制御する方法の一つとして期待される。

利害関係者声明
著者らは、競合する利害関係を宣言していない

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