エベレストでは、登山者が吐き出したり、くしゃみをしたりした細菌を保存しています。
エベレストでは、登山者が吐き出したり、くしゃみをしたりした細菌を保存しています。
https://www.sciencealert.com/everest-is-preserving-the-germs-coughed-and-sneezed-out-by-climbers
ENVIRONMENT15 2023年3月号
ByREBECCA DYER
(Daniel Prudek/Canva Pro）。
毎年、何百人もの登山家がエベレスト南側のサウスコルでキャンプを行い、世界の頂上への挑戦に備えています。
このような冒険好きな登山家たちは、エベレストの山頂に到達したことを誇りに思う一方で、氷に覆われた荒涼とした地形で生き延びるための粘り強い微生物を残している可能性があることが、新しい研究で示されました。
エベレストは極限状態であるにもかかわらず、研究者は山の堆積物から分離した細菌や真菌を培養することができた。これらの生物はほとんど休眠状態であり、極端でない地形から風または人間によってサウスコルの雪のないディップに運ばれたのかもしれない。
この研究は、世界一高い山頂に観光客が与えた影響を明らかにし、地球上の生命の限界や他の世界での生命の可能性に光を当てるものであると考えられる。
ヒマラヤ山脈のマハラングル・ヒマール山脈に位置するエベレスト山（ネパール語でサガルマーター、チベット語でチョモランマ）は、海抜29,031フィート（8,849メートル）と、地球上のどの地表よりも高い場所にあります。
エベレストの高所環境は、地球上で最も過酷なもののひとつである。コロラド大学ボルダー校（CU Boulder）の微生物生態学者ニコラス・ドラゴンが率いる研究チームが土壌サンプルを採取したサウスコルは、海抜約7,900フィート。
そのため、研究者たちは、ブドウ球菌やレンサ球菌など、私たちの鼻や喉の温かく湿った快適な環境に適応してきた微生物でさえ、休眠して、寒く乾燥した厳しい条件を生き延びることができたことに驚きました。
「エベレストの微生物群には、あの標高でも、人間のサインが凍結されています」と、CUボルダーの微生物生態学者である上級著者スティーブン・シュミットは言う。
"誰かが鼻をかんだり、咳をしたりしただけでも、そういうことが現れるかもしれません。"
栄養豊富な寒天プレート上で細菌を増殖させる従来の培養技術に加え、研究チームは、特定の微生物を特定するために、土壌中の遺伝物質の断片を配列決定しました。このような方法で、このようなサンプルを調査したのは、これまでで最も標高が高い場所だと言われています。
研究チームはこれまで、アンデス山脈やヒマラヤ、南極などの土壌サンプルを調査してきたが、この標高で採取したサンプルで、人間に関連する微生物の明確な証拠を示したのは今回が初めてという。
高地では、高濃度の紫外線、低温、水不足などが微生物の死因となるため、このような過酷な気候の中では、最も強い生物しか生き残ることができない。
ブドウ球菌やレンサ球菌は土壌に多く生息していますが、今回の研究で確認された遺伝子配列は、普段私たちの皮膚や口の中に生息している一般的な菌種と同じものだったのです。
しかも、このサンプルは、鼻水やくしゃみをする人間が山頂に挑戦する前に通常キャンプを張る場所から、約558フィート（170メートル）離れた場所で採取されました。
「もし、山で人間がより多く利用する場所でサンプルを採取すれば、人間が環境に与えた影響を示す微生物の証拠がさらに見つかるかもしれないと、研究チームは論文に書いています。
しかし、これまでの研究によると、一部の微生物は、標高の高い場所で短時間に水が供給される間に成長する可能性があるとのことです。
サウスコルの気温が-10℃以上になることはほとんどないため、氷が溶けてできた乏しい水が微生物の生育に役立つかどうかは不明であり、このような極限状態で微生物の生育を調べるのは容易なことではありません。
つまり、サウスコルをはじめとする標高の高い場所の土は、空気や人によってそこに置かれた生物を集めて凍らせただけなのかもしれません。ラボの条件が良いからこそ、それらが育つことができたのかもしれません。
しかし、エベレスト地域の気温は10年あたり約0.33℃で上昇しており、2022年7月にはサウスコルで-1.4℃という過去最高気温を記録しています。この温暖化傾向により、現在は活動していない生物が将来的に活動するようになる可能性があります。
著者らは、最近設置されたSouth Colの気象観測所が、時間が経ってより多くの観測を行うことで、より多くの情報を得られるかもしれないとしています。
今のところ、研究者たちは、エベレストに人間の細菌がわずかに加わったところで、環境に大きな影響を与えるとは考えていない。それでも、この研究は、例えば、人類がやがて火星に到達した場合の地球外生命体の探索に影響を与えるものです。
「他の惑星や冷たい衛星に生命がいるかもしれません。
とシュミットは言います。「私たちは、私たち自身の生命でそれらを汚染しないように注意しなければならないでしょう」。
この研究は、Arctic, Antarctic, and Alpine Research誌に掲載されています。
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