シャーガス病は腸内細菌叢の変化と関連する

2023年7月31日 21:08

https://www.ajmc.com/view/chagas-disease-associated-with-gut-microbiota-changes

2023年7月29日
ジャレッド・カルトワッサー
ニュース
記事
シャーガス病は、顧みられることのない熱帯病である。
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新たな報告によると、慢性シャーガス病（CD）患者の腸内細菌叢は、健常対照者の細菌叢とは異なる構造的特徴を持っているという。
PLOS Neglected Tropical Diseases』誌に掲載されたこの報告1により、研究者たちはシャーガス病とその治療法について理解を深めることができるだろう。
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臨床
著者らは、この寄生虫病は特に南米と中米で問題になっていると述べている。2010年の推定では、この病気が流行している21カ国で600万人が感染している。年間12,000人がこの病気が原因で死亡している。
「グローバル化と国際移住の増加により、シャーガス病は非流行国でも懸念されるようになり、米国では347,000人、欧州では123,078人が感染している」と著者らは書いている。
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この病気はいくつかの方法で感染する。最も一般的な感染経路は、トリパノソーマ・クルジに感染した昆虫の尿や糞便に粘液や無接触の皮膚を通して接触することであると著者らは述べている。また、臓器移植や血液を介して、あるいは先天的に感染することもある。
この病気は様々な形で現れるが、最も一般的な症状は心臓と消化器系であると著者らは指摘する。後者については、消化管に沿った腸神経系の脱神経が関係しているようだと著者らは指摘している。
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「この脱神経の正確なメカニズムはまだ完全にはわかっていませんが、寄生虫の存在によって誘発される炎症に関連する免疫機構が関与している可能性があります」と、研究者らは述べている。
CDの消化器系への関与において重要な要因のひとつとなりうるのが、罹患者の微生物叢である。その人の微生物叢の正確な構成は、寄生虫が宿主に定着し、宿主内で持続する能力に影響を与える可能性がある、と研究チームは指摘した。しかし、このような疑問はほとんど無視されてきた。
「シャーガス病の成立、臨床症状、治療反応における腸内細菌叢の重要な役割を期待する強い根拠があるにもかかわらず、WHO（世界保健機関）によれば、シャーガス病は顧みられない病気であるためか、この病気に対する微生物叢の影響はほとんど研究されていません」と著者らは述べている。
そこで著者らは、CD患者の微生物叢を研究し、その結果を健常対照者の分析と比較しようとした。参加者は80名で、うち20名が健常対照者、16名が心臓CD、15名が消化器CD、29名が臨床症状がはっきりしないCDであった。参加者のうち72人はボリビア系で、年齢中央値は47歳であり、CD患者の約半数は、FDAにより2歳から12歳の小児への使用が承認されているニトロイミダゾール系抗菌薬であるベンズニダゾールによる治療歴があった2。
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各参加者から便サンプルが採取され、そのサンプルは全ゲノムシークエンシングを受けて糞便微生物群集を解析した。参加者はまた、食事要因がCDのリスクと転帰に影響するかどうかを調べるために、食事の包括的な分析も受けた。しかし、食事分析ではCD群と対照群との間に有意差は認められなかった。
一方、微生物叢の解析では顕著な差異が認められた。著者らは、CDの有無が、観察された参加者の微生物叢変動の5％と関連していることを発見した。
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「CD患者ではパラバクテロイデス属菌の一貫した濃縮がみられたが、腸球菌ヒラエ、ラクトバチルス・ブヒネリ、メガモナス属菌については、異常値を除外すると、その影響はそれほど明確ではなかった」と、研究者らは報告している。
病変のタイプや治療歴などの他の因子は、微生物叢構造の変化とは関連していなかった。
研究者らは、このような研究はもっと注目されるべきであると述べている。
「今後の研究では、ヒトのTruzi感染に対する感受性、シャーガス病の進行、寄生虫駆除治療に対する反応性の因果関係をよりよく理解することに焦点が当てられるでしょう」と研究者らは書いている。
CDにおける微生物叢の役割をよりよく理解することは、患者の予後を改善する標的を特定する可能性を含め、大きな収穫をもたらす可能性があると彼らは述べている。
参考文献

シャーガス病は、慢性感染の成人における腸内細菌叢の構造的変化に関連している（TRIPOBIOME研究）。PLoS Negl Trop Dis. doi:10.1371/journal.pntd.0011490.
ベンズニダゾール錠。エクセルティス。2018年発行。2023年7月29日アクセス。https://www.benznidazoletablets.com/en/。
乳房インプラント関連のEBV+ DLBCL症例が増加する中、研究者らが疾患に関する知見を共有
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ハイメ・ローゼンバーグ
ニュース
記事
乳房インプラントとリンパ腫の関連は1990年代から認識されていたが、その関連は乳房インプラント関連未分化大細胞リンパ腫に限られており、エプスタイン・バー・ウイルス（EBV）ではなかった。
ある種の乳房インプラントに関連したエプスタイン・バーウイルス陽性（EBV+）びまん性大細胞型B細胞リンパ腫（DLBCL）の症例が報告されるようになり、研究者らは、フィブリン関連大細胞型B細胞リンパ腫（FA-LBCL）の「新しい顔」とされるこの疾患に関する詳細な知見を得た。
乳房インプラントとリンパ腫の関連は1990年代から認識されていたが、その関連は乳房インプラント関連未分化大細胞リンパ腫（BIA-ALCL）に限られていた。
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臨床
「BIA-ALCLは、世界保健機関（WHO）の2017年の造血組織およびリンパ組織の腫瘍分類で初めて1つの疾患として認められ、新しいWHOおよび国際コンセンサス分類の腫瘍分類でも承認されました」と研究者らはJournal of Clinical Medicine誌で説明した。「このリンパ腫は通常、早期に発見され、手術による無増悪生存期間と全生存期間が良好で、進行期でのみ化学療法を必要とする。最近まで、乳房インプラントに関連したB細胞リンパ腫の報告はほとんどなく、どの亜型が優位であるかは明らかではなかった。しかし2019年以降、乳房インプラントに関連したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫（DLBCL）の症例報告が明らかに増加している。"
このような症例が増加する中、BIA EBV+ DLBCLは慢性炎症に関連したDLBCL（CI-DLBCL）またはFA-LBCLの原型ではないかという仮説があり、WHOはこれらの症例をFA-LBCLに分類している。
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研究者らのクリニックでは、EBV+ BIA-DLBCLと診断された中年女性が、両側テクスチャー乳房インプラントによる豊胸手術を受けてから7年後に、インプラント埋入から診断までの期間の中央値（7～10年）と一致する症例を経験した。
両乳房に疼痛が出現した後、左の被膜を検査したところ、顕著な核小体を有する大型で非定型の多形リンパ球が認められた。これらの細胞はフィブリン沈着と壊死を伴い、CD30、CD20、CD19、CD79a、PAX-5、BCL2、MUM1陽性であった。その他の所見としては、腫瘍細胞の50％にKi-67増殖指数が陽性であり、EBVコード化低分子RNA（EBER）が存在した。これらの所見に基づき、研究者らは、病変がインプラント莢膜1個だけに及ぶ症例では、FA-LBCLとの鑑別のために、T細胞マーカー、B細胞マーカー、EBERの検査を行うべきであると提案している。
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PET検査の結果、病理学的取り込みは認められなかった。症例が低悪性度であったため、手術後に積極的な経過観察が行われた。
今回の症例の詳細は、過去に報告されたEBV+ BIA-DLBCLの17症例と類似している。過去に報告された症例はすべて、テクスチャーインプラントに関するものであり、ほとんどの症例は痛みから始まり、早期に診断された。
「利用可能な証拠は、早期発見による良好な予後を示唆している。BIA-ALCLと同様、限局期であれば補助療法を必要とせず、外科的管理で十分であると思われる。「17例中、術後補助化学療法を受けた症例は3例のみで、浸潤性病変の症例は含まれていない。われわれの知る限り、これらの症例はすべて、現在までに再発を認めず良好な転帰をたどっている。従って、発表されたデータは、この状況における最良のアプローチとして手術を支持している。
組織学的見地から、被膜所見は通常、被膜の内腔側にシート状、クラスター状、リボン状に分布する大きな多形細胞を示し、炎症浸潤が限定的な壊死物質が一般的である。
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