加工食品に含まれる乳化剤の有害作用に対抗するために腸管免疫系を鍛える
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2023年9月19日
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加工食品に含まれる乳化剤の有害作用に対抗するために腸管免疫系を鍛える
https://medicalxpress.com/news/2023-09-gut-immune-combat-detrimental-effects.html
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加工食品に含まれる乳化剤の悪影響に対抗するために腸管免疫系を鍛える
研究者らは、腸内細菌叢が様々な慢性炎症状態を予防する有効な手段となり得ることを調査している。Credit: Gaël Kazaz, Institut Cochin 2021 (CC-BY 4.0, creativecommons.org/ ... censes/by/4.0/)
新たな研究で、微生物タンパク質フラジェリンに対する免疫系を訓練したマウスは、食品添加物である乳化剤の摂取による通常の有害な影響を受けなかった。フランス、コーチン研究所とパリ・シテ大学のインセム研究員メリッサ・コルダヒとブノワ・シャサングらは、この研究結果をオープンアクセス・ジャーナルPLOS Biology誌に発表した。
食用乳化剤は、混合成分が分離するのを防ぐために加工食品に添加される物質である。先行研究では、ある種の乳化剤を摂取することで、腸内微生物(腸内に自然に生息する微生物)が変化し、一部の微生物が腸の保護膜である粘膜に侵入する能力を高め、慢性的な腸炎を引き起こす可能性が示唆されていた。フラジェリンは、多くの細菌が発現するタンパク質で、鞭のような鞭毛を構成し、泳ぐことを可能にし、運動性を付与する。
Kordahi博士らは、この先行研究を基に、フラジェリンを標的とするよう腸管免疫系を訓練すること、すなわちフラジェリンを免疫することで、食事性乳化剤の摂取による有害な下流結果を防ぐことができるのではないかと考えた。この考えを検証するため、研究チームはマウスにフラジェリンを数週間免疫した後、カルボキシメチルセルロース(E466)とポリソルベート80(E433)という2種類の一般的な食用乳化剤を含む餌を与えた。
その結果、免疫したマウスは乳化剤を摂取しても粘膜に微生物が侵入することはなかった。さらに、免疫によって、乳化剤摂取後に通常観察される慢性的な腸の炎症や代謝異常からも保護されるようであった。
研究チームはまた、フラジェリン免疫マウスは、乳化剤入りの食品を食べた後も、腸内細菌叢を構成するさまざまな微生物種の割合が変化したことにも注目している。このことから、フラジェリン免疫による保護効果は、微生物叢の構成のみに影響を及ぼすというよりも、むしろ微生物の機能や動きに影響を及ぼすことに関係しているのかもしれない。
フラジェリン免疫の潜在的な利用法についての理解を深め、これらの知見が将来ヒトにどの程度応用できるかについては、さらなる研究が必要であろう。とはいえ、本研究は、フラジェリン免疫化が、炎症性腸疾患、肥満、2型糖尿病など、宿主と微生物叢の相互作用の変化によって促進される可能性のある炎症性疾患から身を守るための新たな戦略となる可能性を示唆している。
この研究は、腸内細菌叢を標的として調節することが、一般的に使用されている食品添加物の摂取中に起こる代謝調節異常のような、様々な慢性炎症状態を予防する効率的な方法となり得ることを示唆しています "とChassaing氏は付け加えた。
詳細はこちら: Kordahi MC, Delaroque C, Bredèche M-F, Gewirtz AT, Chassaing B (2023) 微生物の運動性に対するワクチン接種が、食餌性乳化剤摂取の有害な影響からマウスを保護する。PLoS Biology (2023). DOI: 10.1371/journal.pbio.3002289. journals.plos.org/plosbiology/ ... journal.pbio.3002289
ジャーナル情報 PLoSバイオロジー
提供:パブリック・ライブラリー・オブ・サイエンス
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