RPAを「業務システムやプロセス」の改善や見直しのきっかけにしては?
このnoteの目的
RPAを「業務システムやプロセス」の改善や見直しのきっかけにしては?
そのために、RPAを「情報の橋渡し役」と捉えてみてはどうか、
という提案です。
以下では、
「情報」を「川を渡る乗客」、人力の反復業務を「渡し船」、RPAを「自動運転の渡し船」、根本対策を「橋」に例えていますが、RPAを揶揄するという意図ではありません。
RPAの捉え方
RPAが導入される「人」の業務として、例えばこのようなものがあると思います。
① 「紙」の記述内容を、Excelのワークシートへ入力
② あるシステムの画面出力を「見て」、別のシステムの画面へ入力
これらは「情報を橋渡しをする業務」と捉えられると思います。つまり、
① 紙の記述内容の「情報」をOCRで読み込み、Excelのワークシートの該当するセルに「情報」として入力していく
② あるシステムの画面上に表示されている「情報」を目視で読み取って、別のシステムの画面上の入力欄に「情報」として入力していく
と捉えることができます。
そして、このような業務をRPAは自動化してくれます。
「情報」を「運搬される対象」と捉えると
いろいろな見方があると思いますが、私は
①「情報」を「水」に例えると、これを人力でやるのが「バケツリレー」
②「情報」を「川を渡る人」に例えると、これを人力でやるのが「渡し船」
に例えることができると思います。
RPAは、この「人力」の部分をそのままロボット化するので、
①「バケツリレー」→「ロボットによるバケツリレー」
②「渡し船」→「自動運転の渡し船」
と考えられると思います。
もちろん「根本的な解決策」は
①「水道管」を引く
②「橋」を架ける
だと思います。
そう簡単に「水道管」や「橋」が建設できるのかどうか
先ほど「水道管」「橋」と例えましたが、実際には、
建設のための予算確保、工期、技術的な可能性、技術者人員確保、保守費用、費用対効果、…
と考えなければならないことが多々あります。
これはITについても変わりません。
※ソフトウェアは劣化はしませんが、入力、出力、運搬する情報などの「仕様変更」などに追従する必要があります。
そこまで考慮した上での「投資」という判断が必要になってきます。
RPAの活用方法
もちろん根本解決が容易ならばそれに越したことはありませんが、もしそれが困難であれば、とりあえずの解決策として
最初はRPAで「情報」の流れを繋いでみる
が「あり」だと思います(RPAは比較的構築が容易ですので ※注釈)。
そして、
RPAの導入の効果が高ければ、「根本解決」策の効果も高い
と見なして「根本解決」策に対する投資を考えればよいと思います。
(RPAの効果が高い例としては「定型化していて例外がない」「運ぶ情報の量が多い」などが挙げられます)
ITで考えられる「根本解決」としては、
紙のデジタル化、入力側と出力側のインタフェース作成と結合
などの「手段」のデジタル化、システム最適化の他に、
業務そのものを見直して、「そこに情報を流す必要を無くする」
もあると思います。
まとめ
RPAを「情報の橋渡し役」と見ることから、
RPAを「作業効率化」だけでなく「業務・システムの見直し」のきっかけにすることができると思います。
RPAの導入を、そのような観点で捉えてみてはいかがでしょうか。
※注釈
RPAの開発が「プログラミング知識不要」か
RPAやローコード開発では、作業をコンピュータ(ロボット)に指示する際に、言語(プログラミング言語)ではなく「図示」を使っています(指示を図形や矢印で示す)。
その昔の「流れ図」「フローチャート」みたいな形です。
指示が「言語」ではないことから「文法」を覚える必要はなくなりました。
また、ある程度まとまった作業は単純化されました(「Excelを開く」とか)。
このことより、「文法ミス」のようなことも減りましたし、作業の流れの見通しもよくなりました。
しかしながら、個々の作業の「流れ」を指示するときの「指示の話し方」は相変わらずです(分岐、繰り返し、変数、などなど)。
RPAやローコードの宣伝に「プログラミングの知識は不要」と書かれることが多いですが、
確かに、プログラミング言語の「文法の知識」は確かに不要ですが、そもそも(コンピュータへの)「話し方」を知っていないと、何も指示できなくなります。
プログラミングの教育ツールとして「Scratch」という「図示型」のプログラミングツールがあります。
こういうプログラミングツールの事前学習は、RPAやローコード開発に役立つのではないか、と考えています。