色んな思いが交錯する GO,JET!GO!GO! vol.7 #洋JET
お噂は聞いていたGO!JET!シリーズを満を持して観劇(A班)ポップコーン食べながら観劇したのは初めてです。
初見でも十分楽しめる
GO!JET!とは名前こそ聞くものの、なかなか機会がなく、今回ようやくご縁があり伺うことが出来ました。シリーズということもあり、事前情報がどれだけ必要かなーとは思いましたが、なくても十分楽しめました。深く関係性を知らずとも話の流れで十分補完できるので、ライトな感じで小演劇を観てみたいっていう人には勧められる作品だと思います。時間もそんなに長丁場ではなく、話の流れも良い意味でシンプルでそれぞれのキャラも立ってて無駄な人もいない。なにより「他だとどうだろう」と思える関係性でした。
ミッツの表情が物語
今回の見どころはミッツの表情でしょうか。個人的には恋する乙女的な表情はよく見るのですが、多分この役作りは相手がいないと成り立たない表情だと思いました。というのも、相手のヒロシが完璧なイケメンではなく良くも悪くも人間味溢れた昭和の男という人。そんな人をなんのドラマもなく好きになるのはただの端役の役目であって、メインであるミッツは色んな思いを持っているはずだと思います。だから、オンリーユーの時の表情が、ただ目をハートにしているような安っぽい表情ではなく、ある種「ダメな男」の色んな面を受け止めて「好きになる」表情をしていたように自分は感じました。
個人的に1番好きなのは、ラストシーンのヒロシが「最後のドライブだ」と言った時にちゃんとミッツを右側にしてハンドルを構えたところ。ここがハイライトだと思うので、誰にでも抱きつくようなクズ男であるヒロシ→そのヒロシが好きなミッツ→実はナッツが好きだった→でもやっぱり…というシンプルながらも美しい流れが出来上がってるんだなと思います。(あそこでヒロシに右ハンドルを握らせるような演出家は、多分自分は合わないな)
あと、ヒロシの「そんな表情を見せるのは俺だけにしろ」的なことを言っていたときはちゃんと足を閉じていましたね。ちなみに私がさとうさんとチェキ撮ったときはちゃんと足が開いてました。残念です。
言葉にならないスッキリした感覚
自分に語彙力がなく、単純に凄い、良かった、てえてえ。みたいに終わらせたくはないのですが、なんというか余計なものは削って、みっつとヒロシにしっかりフィーチャーさせた演目でした。シリーズ物の特権で、変な伏線を張り巡らさなくともちゃんとそれぞれの個々はあるのだなと思いました。例えば、今回初めてのGO!JET!だったので、JETはもっと出番あるかなーと思ったら、最初はあかねとのラブラブを見せつけたものの、全体的には大人しかった印象(マスターとヒロシが激しかった)ですが、ちゃんとそれまでのベースがあるのかなと思えました。これは、先日観劇した片思いの天使たちの連続ドラマ形式に近いですね。全人物が主人公です!みたいに謳ってよく分からんことになるよりはメリハリを付けている方が個人的には好き。
反面、シリーズ通して同じキャストでなかったら役者さん単体で観ると物足りなさが出てしまうかな。「あ、今回はメインじゃないんだ…」みたいな。それを防ぐには、GO!JET!という演目のファンそのものを増やしていくしかないのかもですね。
ただ、それぞれの役者さんだけでなく登場人物にしっかりとファンが付きそうだなと思いました。
話を聞く中では○○の役ではなく個人名で話されてる事が多い。作品やコンテンツが愛されることってとっても素敵なことだと思います。
ナッツがいちいち可愛いので、メイン回だとどうなるのかは気になる所存。あと、マスターみたいなキャラ、自分は好きです(ああなれと言われてもちょっと…とはなりますが笑)
ほんの少しツッコミ
私個人は場面転換を把握するのが少し苦手で、以前の偽りの瞬く星空に、でも書きました。今作も、ガールズの生前のエピソードと現在のエピソードの切り替わりが分からなくなった部分がありました。特に、死ぬ前日に切り替わった時はテーブルの上にJET達が買ってきたと思われるお土産(恐竜とかのフィギュア)が置かれたままでした。文字とかで伝える術がない分、「ここが違うよ」というのはわかりやすさが欲しかったかなと。GO!JET!だとそういう
シーンがあるのがお決まりかもしれませんが、ちょっとだけご新規には優しくなかったかなーと。まあこれはすぐに直せる部分だと思うので。
あと3班よりも1班でみっちり仕上げてくるのも個人的には好きです。まあそこは素人が口出しできないすね。
まあまずは観てみなよ
小演劇の良さ。を感じるには良い作品だと思います。台本自体は昔から練りに練られてるはずなので、こじんまりしたワンシチュエーションコメディで、スカッとした気分になりたい時にはご覧になると良いかと思います。ポップコーン食べて、ドリンク飲みながらお芝居というか、ショーを楽しむのがよいでしょう。
個人的には、演劇のルールガチガチよりも、もっとフランクに楽しめる舞台になると良いかなと思いました。アメリカのシットコムみたいに、本編に笑い声が飛び込んだり。そうすると、エンディングももっと盛り上がるような。客席と一緒にエンディングを作る感じで。(乗り切れなかった自分が言うのもおこがましい)