瀧波ユカリ「ありがとうって言えたなら」｜なみなみのモノ#57

お店のモノを紹介する #なみなみのモノ #５７ は #なみなみ選書 より「瀧波ユカリ『ありがとうって言えたなら』」です。

瀧波ユカリさんの実話を元にした作品で、決して仲の良い関係ではなかった母親が余命宣告を受けてからの、1年あまりにわたるエピソードが描かれたコミックエッセイです。

病気が発覚して母親の変わった部分、変わらなかった部分、仕事や子育てとの兼ね合い、きょうだいとの関係、家族の協力・・・どのように考え、接し、どう向き合い、そして最期のときを迎え葬儀までもが描かれています。
想像していた病人像との違いや、クセの強いお母さんにクスっとする場面もたくさんありますが、次第に衰えていく姿ややりとりにはとても切なくなってしまいます。

親との関係は本当に人それぞれだとは思いますが、親の死といういつかくるその時をどう迎えるのか、また亡くなったあとに心をどこに置くのか。とても考えさせられますし、またすでに経験している人にとっては、ある意味で癒しにもなりえるような一冊です。

瀧波ユカリさんは現在、フレッシャーズのお悩み相談の連載も担当しており、ほどよく時流を汲んだアドバイスは、自分が相談者の立場だったらうれしいだろうなぁという内容ばかり。こちらもぜひ。

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