大型花火は、誘導灯
小豆の匂いが、漂う布の上、夜、神様はゲームの上でだけ。でも、昼と夜を作った、そんな神様なら、少しくらい、信じてあげてもいいと、髪の毛の匂いを、嗅いでみる。もし、昼も夜も無ければ、世界は、きっとずっと永遠に、夜のままだったと思って、わたしはこの夜に、ただ更けてみるのです。湿った音も、乾いた音も、すべてが不協和音だというあなたも、なにも怖くないというわたしも、全て、神様が作ったものではないから、いつか途切れる時がきて、それが終わりで、ただの終わりだと、悲しむこの昼がある。でも、何もわかっていないから、この昼は、きっとソワレじゃなくて、マチネで、だから、フィナーレじゃなくて、ここがいま、夜明けになる。きっと昼も夜も、決めたのは名前も知らない誰かだから、昼でも夜でもない、名前も知らない塵に、なりましょう。そうすれば、永遠と名のつくこの世の全てから、さらりと解放されて、きっといつもずっとビールを飲める。そしてそのビールには、きっとあの日の永遠が、溶かされているから、それを飲み干せば、この世界から昼も夜も何もなくなって、干からびて干からびて、砂漠にでも行ってやりましょうか。誰かの目が、私たちに刺さっても、私たちは砂だから、何よりも永遠に、なによりもどこへでも、旅できること。飛行機代もかからないね、だって私たちは砂だから。そうやってきた私たちを、いつか羨む日が来るのなら、それは神様と名前がつくだけの、世界の呪いに、戦いを挑むだけのことはあるでしょう。いつだってここから電車に乗れば、昼も夜も架けられることをただ夢見て、苦いビールを飲むのなら、そこに溶けてあげてもいい。そんな思いが誰かの世界を作ったなら、言葉はきっと音楽だと、とりあえずフルートを、吹いてみるのです。
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