変身の木

神様仏様、と願い、ひれ伏した、ことはないけれど、ただただ彼らを、踏み、切り、刻み、続けたことならば、数知れぬほど、ありますとも。背骨を折られ、動かないこころ、ことのない真ん中を、ただひた走っていくように、折り曲げられた世界の、その端の、真ん中を、ただただ、さいはての雨に降られながら、透き通り果てた霧の中を、這いつくばったことは、数知れぬほど、ありますとも。見慣れたものたちの、紅茶は甘くてたまりません、苦い紅茶ほど、嗜み甲斐がありますのよ、と、昔、言った人がいましたが、その人が、沈んだのは、太陽すらも沈まぬ、西の空。あなたこそが、水平線だと、この深い深い森の、真緑で、この深い深い湖の、真青で、この深い深い実の、真っ赤で、この深い深い重ねた紙の、真ん中だと、思い返すこともなく、ただ地上で息のできる人間と名のつくものにだけ訪れる、神様仏様ならば、きっと、すぐに、踏み殺され続けて言葉も尽きるほど、まやかしの言葉を貫いて、そうして、総じて、そうして、総じて、ただ乾いた目を、こするだけで、

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