変身の木

神様仏様、
と願ったことはないけれど、ただただ彼らを、恨み、
続けたことならば、
数知れぬほど、
ありますとも。
埋もれきれなかった真ん中を、ただひた走るように、
あなただけの、真ん中を、
ただただ、穢れた雨に降られながら、
這いつくばったことは、
数知れぬほど、
ありますとも。
人の作る、味噌汁は、怖くて、たまりません、味噌汁の具は、自由なようでいて、世界一不自由である。と、昔、言った人がいましたが、
それには、気付かぬ人ばかり。
自分こそが、真ん中だと、
この深い深い森の、真緑で、
この深い深い湖の、真青で、
この深い深い実の、真っ赤で、
この深い深い未来の、真ん中だと、
思い返すこともなく、
生きている人にだけ訪れる、
神様仏様なら、
きっと、すぐに見捨てられて、
言葉も尽きるほど、謬の言葉を貫いて、
そうして、総じて、そうして、総じて、
ただ乾いた髪を、撫でるだけで、
ただ乾いた目を、こするだけで、

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