オレンジ爆弾

足についたゴミを、取り外すように、水の中、飛び込む。浮いてきたそれは、きっと明日の、汚れもの。白いすりガラスの、向こう側、見えるものは、地球全体の共通認識。匂いが、いろいろな匂いが、充満しているから、ここに爆弾を、置きましょう。誰にも、迷惑をかけないよう。手すりを、そばにある手すりに、手をかけないと、立ち上がれなくなって、しまった、から、もういつかの話を、するのは、やめましょう。誰にも、困難が訪れないよう。シャンプーの、残機も残っていない今に、リンスの話なんて、趣がないと、分かるでしょう。興醒めなもの、語りはやめましょう。誰も、誰もが、誰にも、誰へも、誰さえも、誰しも、殺さないよう。小学生の、悲しみに、ビンタを、触ったもの、全て口に運ぶ、全部に、匂いがついてしまう。なにもなにもなにもなにもなにもなにも、かも、排水溝から吸い寄せられてしまう。吸い寄せられたそれは、裏の世界まで、たどり着くことなく、真ん中あたりで、燃え尽きてしまう。何も何も何も何も何も何も何も何も、なにも、なにも、もしもの、時、そばには、ない。必死で、もうそれは必死で、息を、ただただ息を、してきたけれど、吐いていたものは、ただの二酸化炭素だったと、強く頭を、打たれました。爆発しない、爆発しないはずの、爆弾が爆発して、爆発したら、きっと爆破されて、爆破されたら、ばらばらで、でも、ずっと、ずっと、昔から、ずっと、ずっと、そうだったもの。強い強い強い、儚いオレンジの、香りが、吸い込んだ酸素に、しっかり入ってきたから、いま吐いた二酸化炭素は、明日にでも、蜜柑の木を咲かせるでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?