宝石のような思い出
今でも思い出すのは、小学生の頃。今より幾分か元気でもっと楽しかった頃。
学校が終わって友達みんなで一緒の通学路をキャッキャ言いながら帰る。
「じゃあこの後○○の家集合な!!」
この一言がうれしくて楽しくて仕方ない。家に着くや否やランドセルを放り出して適当に置いてあるDSと充電器、みんなで食べる用のお菓子を見繕って家を飛び出す。
友達の家に着くとチャイムを押す。これが緊張する。別に気まずいわけでも怖いわけでもないけど友達の家族が出ないといいなと思う。
友達の部屋に入るとスッとゲームを取り出して「ここはこうやった方がいい」だとか「実はこんな裏技があって」だとか話題はほとんどがゲームの話。
人が集まってくると通信プレイに励む。みんな共通して持ってるソフトが一本あったのでそれに勤しむ。
「それ俺のだぞ!!」と言ってアイテムを盗られた友達が躍起になってゲームの中で別の友人を追いかける。その隙に自分はその子の別のアイテムを奪い取る。
ゲームに飽きてくると誰かが「鬼ごっこしようぜ」と言い出す。そうしたらゲームを閉まって外に駆け出す。日暮れも近い時間から始まる鬼ごっこはとても楽しかった。さっきまでゲームの中でも鬼ごっこしてたのにな、なんて思うこともあったけど、ちゃんと身体を使って運動するのも悪くない。
思う存分駆け回ったらそろそろ家に帰る時間になっている。荷物をまとめてお母さんにお礼を言って自宅へ帰る。
家に帰って晩御飯を済ませたらまたゲームに没頭する。
「次はどんな仕掛けで驚かせてやろう」
そうやって次遊ぶまでにひみつきちの場所を変えたり、内装を変えたりする。次は絶対に旗を取られないように頑張る。
あの時間とあの人間関係はもう帰ってこないけれど、自分だけはあの時間に戻ることができるのです。
そう!この『ポケットモンスターブリリアントダイヤモンド/シャイニングパール』があれば!!!
うっひょ~~~~!!!楽しみ!!!!!!マジで楽しみ!!!うわああああ!!!!
相棒はあの時みたいにポッチャマにするぞ。あの頃はどんなポケモンがてもちにいたっけ?ゲームセンターはなくなっちゃったのか。しょうがないよなあ。時間は流れていくものだから。あ、一緒にコンテストも一緒に出たいな!自分もおめかししてとびっきり綺麗な君と優勝したいんだよ!!
くるくるかき混ぜてポフィンを作るの、あの頃みたいに上手にできるかな。
そういえばなぞのばしょにはいけるのかしら?誰かが言い出した「リョウの部屋で外に向かってなみのりすると『なぞのばしょ』に行けて、ダークライとかシェイミが捕まえられる」という噂を信じてあっちこっち駆け巡る。
真っ暗な空間、四方を見えない壁に囲まれてどうしようもなくなって消えたデータは多々あった。結局当時ちゃんとダークライとかシェイミをその方法で捕まえれた友達は誰一人としていなかった気がする。
今みたいになんでもサクッと検索するという概念がなかったからこそできた楽しみ方だなと思う。
もうあの頃みたいに純粋に物語を楽しむことも、うんうん唸りながら謎を解くこともないだろうけど、シンオウ地方の旅はきっと楽しいはずだよ。
性格も人間関係も悩みも全部変わったけれど、旅してたらあの頃に戻れる気がする。
15年前の自分、待っててくれよ!!!!!