天野 倫子/ケンちゃんファーム
南あわじの最高品質の玉ねぎで「ワクワク」を届けたい!
■プロフィール
玉ねぎ農家に生まれ、幼い頃からたまねぎ作りには携わっていたものの、結婚後は関東でサラリーマンの夫と農業とは無縁の生活を送っていた。
「ひょうご安心ブランド」の玉ねぎを栽培する父から、どのように訴求して売るべきか相談を受けたことをきっかけに、2017年ごろから近隣のショッピングモールの農産物直売所で試験販売を始める。
2018年、実家のある南あわじ市にUターンし、2019年に「ケンちゃんファーム」を設立。
自身は出荷作業を主に行い、生産は父(ケンちゃん)を中心とした家族が担当、販売戦略やECサイトの管理などはサラリーマンである夫がサポートしている。主に直販サイトを通じて全国に販売。食べチョクアワード野菜生産部門2020年、2021年連続1位受賞。
■農業を職業にした理由
関東で結婚生活を送っていた2017年、父から送られてきた玉ねぎを近所の農産物直売所で売り始めたところ、あっという間に関東30カ所の販売所の人気商品に…。
故郷・淡路島の玉ねぎの商品価値を広め、もっと多くの人を感動させたいと淡路島に戻り、会社を設立して、ロゴやパッケージデザインなどブランディングの強化を進める。
コロナ禍の巣ごもり需要に伴って、2020年以降は直販サイトを中心に売上が急成長。常に消費者目線を重視して、商品が届いた時から食卓に上るまでお客さまに「ワクワク」を届けることを理念としている。
■農業の魅力とは
お客さまから、「こんなに甘い玉ねぎは初めて」「感動した」などの嬉しい言葉が寄せられたときに、農業をやっていて良かったと思います。
市場向けに卸していると、消費者の声を聞く機会がないのですが、さまざまな直販サイトが登場したおかげで、毎日多くの評価の声が届きます。なかには、厳しい意見もありますが、それらすべてがもっと良いものを作ろう、という原動力になっています。
また、ロゴやパッケージに対する感想をいただいたときは、思わずガッツポーズが出ます。私たちは、野菜の見た目や味だけでなく、それらを入れる箱や、同封するお便り、SNSを通じた情報発信や返信コメントまで含めて商品だと思っています。
そういう意味で、現代の農業は、農作業だけでなく、デザイン、販売戦略、SNS戦略、カスタマーコミュニケーションなど、たくさんのやりがいを見つけることができるようになったと思います。
■今後の展望
高齢化が進む南あわじ市でも、離農者や耕作放棄地が増えています。私たちは農地を預かって、野菜を作るだけでなく、離農者に重労働以外の作業を手伝ってもらって雇用の創出につなげることで、地域と一体となって玉ねぎ栽培を途絶えさせないようにしています。
今まで繁忙期には「こなす」ことで精一杯だったのを、品質・生産性、ともに向上させていこうと思っています。また、極早生から晩生まで、品種をリレーしながら年間を通じて販売できる生産体制の構築を目指しています。
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