自分の聞こえを説明してみよう《会話編》
さんざん、自分の障害を自分で説明する必要がある、と書いたので、数回に分けて自分の聞こえの説明にチャレンジしてみようと思います。手探りで、色んな切り口で説明してみます。今回は《会話編》です。
基本の説明:
右耳は全く聞こえません。左耳に補聴器を入れています。
私の場合は…
①「静かな環境」
②「おおむね1m以内」
③「私の左側から」
④「普通の大きさの声」
⑤「1対1」
の全てを満たしたときは、8〜9割程度聞き取れるので、普通に会話ができます。①〜⑤のいずれかの条件がなくなってしまうと、非常に聞き取りにくくなります。
①〜⑤のそれぞれの条件が無くなると次のようになります。
①' 飲み会などの騒がしい場所
⇒自分の前、左隣、左斜め前の3人の声は辛うじて分かりますが、内容は半分くらいしか分からない。それ以外の位置の人は全く何を言っているのか分からない外国語状態です。日本に居ながらにして、留学気分を味わえます。飲み会の時は、ニコニコがデフォルトです。
②' 2〜3mくらいから話しかけられる
⇒呼びかけられても気づかないときがある。話の内容は、半分くらいしか理解できない。職場の人が私を呼ぶときは、私の視界に入る位置で手をヒラヒラさせて合図を送ってくれるので気付きやすいです。
②" 3m以上から話しかけられる
⇒大きな声で呼びかけてもらわないと気づかない。話していて理解できるのは1割くらい。5m以上からだともはや何を言っているのか分からない。私が会話できる限界は3mくらいまで。
③' 右側から話しかけられる
⇒ほとんど気づかない。非常に遠くから呼びかけられている感じ。自分の右側の空間で鳴っている音を認識できないので、何かが起こっていても気づかない。誰かが困っていても気づかずに無視してしまうので、非常に冷徹な人間になってしまう。
④' 小さな声で話しかけられる(左側)
⇒やや小さい声(60dB)だと3〜5割くらいしか聞き取れない。かなり小さな囁き声、ぼそぼそ声(40dB)だと、ほとんど聞こえない。内緒話はできません。秘密の告白をしてもらうときは筆談です。
⑤' 2対1で話す
⇒誰が話しているのか分かるので、声さえ大きければ、ある程度理解できる。
⑤" 3対1で話す
⇒そろそろ誰が話しているのか分からなくなってくる
⑤"' 4人以上と話す
⇒順番に話してくれない限りは、話を追いかけるのが非常に難しい。顔と口元を見て、誰が何を話しているのか理解しているので、会話の展開が速いとついていけない。
まとめると、「ある程度大きな声」で、「左側から」話しかけられたら、ほぼ普通にお話しができますが、それ以外の状況では、一部の音が欠けていたり、くぐもったたりしている状態で聞こえるので、文脈から推測して会話についていっています。私が一度に理解できる人数は2人まで。呼びかけられて気づける距離は3mくらいまで。正確に間違いなく入ってくる音の情報は左側の半径1m以内。 右側の音はほとんど認識できない。
こうやって書き出してみると、私が100%聞き取れる状況は非常に限られてることに気づいて、自分がびっくりしました。自分ではもっと聞き取れてると思っていました…(笑)
取りこぼしている音の情報がたくさんありそうですね。(聞こえていないということに自分では気づけないので、何を取りこぼしているのかは、ちゃんと把握できていない)
私に直接話しかけてもらう時以外は、ほとんど会話ができません(複数人の会話にテンポよく参加するのは至難の技)。3m以内なら集中して聞けばなんとか会話ができますが、疲れるので長くはできません。決して社内で孤立しているわけでも、孤独なわけでもありませんが、集団での会話のお作法が分からないです(笑) みんなで盛り上がる話は、私にとっては未知の世界なので、一体どんな話の進み方をしているのか気になります(笑)
今回は《会話編》で説明してみましたが、文字だらけで、伝わりにくいですね。まだまだ練習と工夫が必要だと思いました。
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