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第3回ナノ会議レポート

9月27日(金)第3回ナノ会議を開催しました。
お越しいただいたのは名古屋市千種区でギャラリーNを運営されている二宮さんご夫婦。ご主人の拓也さんがお話されている後ろから奥様の由利香さんが補足し、会話しているようにお話が進んでいきました。

特に印象的だったのが、多様な人の仕事の中にこそ美を見出すのがギャラリーNの役割、という言葉です。それは庶民感覚を持ち合わせ、日々の生活の中にアートが自分ごととしてつながっていく豊かさを伝えられる「サラリーマン」ならではの思想だと思いました。

そして、自然光が燦々と入り、風が抜けるギャラリー空間という、一般的なギャラリーとは異なる空間にも、そのサラリーマン感覚というのが活かされているのだと感じます。

出張Nという、ギャラリーのない地域へ出張ギャラリーをオープンする試みでは、ギャラリーができることで、廃墟寸前だった建物が輝きを取り戻し、人気ビルへと変貌を遂げたそうです。まちづくりで、シェアオフィスやシェアハウスにして、若者を誘致やおしゃれな場所に作り変えて町の活性化に働きかけることがありますが、実際の使われ方をイメージしやすく、またアートの力と相まって空間の魅力が指数的に増えていったのが成功の鍵だったのかと思いました。

今年はあいちトリエンナーレも開催されており、アートに触れることが多いのですが、キャプションのない作品も多くあります。説明不要!感じたものがすべて!ということなのか、アート門外漢の私にはわからないのですが、説明がないと、へぇ~、と思って終わってしまうことも多々あります…。
特に「無題」だと、もうどうやって理解したらいいかわからなくなってしまいます。

二宮さんからは、過去の展示作家の作品についてお話があり、その作家が気になった理由や、作品の解説があり、とてもおもしろくアートを見て知ることができました。普段でも、奥様がとても気さくで、作品のこと、作家さんのことを面白くお話してくださるのも、ギャラリーNの魅力です。客席には作家さん本人もいらっしゃっていて、直接お話を伺うこともできました。

作家さんのお話で特になるほど、と思ったのは、アートは考えてる時間軸が長いということです。話をうががっていると人間について、ものについて、幸せについて、などいろんな事を多角的に思考され、それを表現するには、それを自分が感じるにはということを追求されていました。建築でも使われる人について、扱う物質について思考し、今までの当たり前だと思っていた事を疑ってみる思考プロセスをよく行います。ただ、どうやらそれは建築で考えている部分と少し違う感じがしました。アートでは、人間の本質とか、存在とか、より人間を物質としてみているように感じたのです。それが時間軸の長さなのかと…。建築は、人間のソフトの部分に目が向いているように思いました。建築自体はハードだとしても、そこを使う人のソフトな部分に対してどのように解決するか。建築も何世紀もまたいで残っていくという意味では長いスパンなんのですが、そいいう意味ではなく、思考の対象が人間やその感情というアートと建築で同じものだとしても、もっと長いスケールで考えているのだと教えていただきました。お話した数少ない作家さんとの会話の中で見出しただけなので、一概にはそうと言い切れないのですが、興味深い発見でした。

今回のナノ会議では、遠い存在であったアートとギャラリーというものを、アート解説を聴いてみたい、日常に取り入れてみたいと、高みから自分の手元にストンと落ちてきたような感覚がし、ぐっと身近に感じることができました。

次回は、アートを紹介する側から、アートを魅せる視点へ変えて、アート展示を裏で支える展示技術者をお招きします。お楽しみに!
野中

第4回ナノ会議 イベントページ
・gallery N 美術手帳掲載記事

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#ギャラリーN #galleryN #ナノ会議 #ナノメートルアーキテクチャー

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