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第19回ナノ会議レポート「建築を動かす」建物の法律家 佐久間悠


〇はじめに
 はじめまして、ナノメートルアーキテクチャースタッフの竹村裕人です。 2023年7月21日、19回目の開催となったナノ会議、ゲストは横浜を拠点に全国で活躍されている建物の法 律家こと佐久間悠さんです。
 学生の方も見られると思いますので、簡単に説明すると建築を建てる(改修する)際には建築 基準法(本当はもっといっぱい関連法規あります)という法律に則り建てなければいけません。佐久間さんにはそんな難しい法規の話を実作を交え、明快にお話頂きました。

〇建物の法律家とは
 はじめに佐久間さんのことを建物の法律家と紹介しました。佐久間さんは難易度の高い違法建築や既存不適格などの建物の改修設計に特化されています。専門家でも対処が難しいことや、 適法させるのにお金や時間がかかりすぎると言った理由から従来であれば解体して新築になるというのが主流でしたが、その流れを大きく変える活動をされているのが建物の法律家である佐 久間さんだと思います。

改修前/既存の機械式駐車場
改修後/天井が高いことを利用した開放性の高いラボ
https://kenchiku-saikou-kikaku.com/project/softdevice-rabo.html

〇既存不適格緩和とは?
 まず既存不適格とは「建築完成時の法令の基準で合法的に建てられた建築物であって、その後、法令の改正などにより、現行法に対して不適格な部分が生じた建築物のこと」を言います。 既存不適格緩和とは、そんな現行法に対して不適格な建物を改修する際に利用でき、改修の ハードルを下げることが出来る法文です。
 佐久間さんはそんな難しい法文を様々と駆使し、再生不可能かに思えた建物を次々に蘇らせ て行っています。
 前述した通り、解体して新築を建てるという流れに囚われない佐久間さんの作品には改修ならではの既存を生かした新しい空間や既存と用途が変わることによって本来ならこうはならないはずという空間が生まれているなと感じました。

ナノ会議の様子。みんな難しい法規の話に頭をフル回転して聞いています。

〇おわりに
 私の好きな漫画に「法とは願いである」という言葉がありました。
 佐久間さんに法の願いを読み取り、まだ使える建物を蘇らせ、再生させる新しい時代の建築士の姿を垣間見ました。また、改めて建築設計という業種には多様な分野があることを実感致しました。大変学びのある回でした。佐久間さん、ありがとうございました!

ナノメートルアーキテクチャー スタッフ竹村裕人


過去のアーカイブ

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第12回「SNS・Webを活用した建築人の生き残り方」マーケター/youtuber しばたまる
第11回「 照明器具をつくること、光環境を考えること」/池畑善志郎
第10回「建築と写真のあいだ」/建築写真家 ToLoLo studio 中村マユ
第9回 「挑戦と調整」/建築家 瀧尻賢

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