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第9回ナノ会議レポート 建築家 瀧尻賢

1/28に建築家の瀧尻賢さんをお招きし、第9回ナノ会議を開催しました。瀧尻さんは三谷の前職、SUPPOSE DESIGN OFFICEの先輩にあたる方です。入社と独立の時期も近く、数年間事務所で切磋琢磨した戦友です。

2017年に独立をし、現在は出身地の京都、南山城村で設計活動をしています。実はナノ会議で建築家を招いたことはこれが初です。普段もたまに連絡を取り合う仲なので、お互いに何をしているかは多少わかっているつもりでしたが、改めて建築家の話を2時間ほど聞くことはすごく有意義でした。

生まれ育った村にあるリチャード・ロジャースの学校や、黒川紀章の音楽ホール、さらに安藤忠雄が設計した親戚のおじさんの建築の話などから始まりました。幼少期から世界的に名のある建築に触れて育ち、意識はせずとも建築に導かれていく話で、建築家がつくりだした建築で一人の人間の人生を左右することに建築をつくる責任を感じました。実は僕自身は建築家という存在に馴染みがなく過ごしていました。自分がやりたかったのはこれだったのか!と気づいたのは20歳を過ぎた頃でした。

そして学生時代や、独立に至るまでの苦労話は今だからこそ、笑いばなしですが、自身の経験と重なることも多々あり、懐かしくもあり、がむしゃらにやっていた当時のことを回想することができました。わからないことを調べ、解決できないことに向き合い、少しでもいいものにしたい気持ちから、昼夜関係なしに夢中になれるものに人生の中で出会えたことは素晴らしいことのようにも思います。

レクチャーのタイトルは「挑戦と調整」。
これは建築をつくる上で常にその狭間で葛藤があること、調整に寄りすぎること、挑戦だけでは成り立たないことを示していますが、そこを乗り越えていくことに建築の魅力があることも共感できました。建築に限らず、なにかつくることは少なからず挑戦があることで新しいもの、人を感動させるものが生まれます。しかし、日常の設計ではほとんど、なにかを調整しているのが実情です。実際のプロジェクトの失敗談からも何かを狙いすぎて肩透かしにあうこと、全力で取り組む挑戦心を忘れずにいく大切さを痛感しました。

サポーズ時代から腹を割って、話せていましたが、変わらずに建築やどうでもいい話ができる仲間がいることは財産だと再認識しました。

次回は3月に開催。近日、情報公開予定です。

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