【映画感想】映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ
本日、表題の映画を見てきた。場所は、新宿ピカデリー。もちろん、一人ではなく、4歳の娘と一緒に。
映画館に行ったのは約5年ぶりだろうか。いや、もっと前かもしれない。それくらい僕は映画館に行かない生活を送っている。理由はないが、理由がないことが全てだ。映画を好きでも、嫌いでもないし、好きな映画を聞かれても非常に困るというレベル。
そんな自分だが、今回映画館に赴いたのには理由がある。そう、娘だ。娘にとっては、今日が人生において初めての映画館。そろそろ映画館にでも連れて行ってあげたいなぁと思っていたところ、すみっこぐらしの映画が大人にも受けているということを、王様のブランチにより知り、本日二人で鑑賞をしてきた次第。以下、感想。(ネタバレかもしれないのでご容赦くださいませ。)
とはいえ、見るまでは、正直そこまでは期待はしていなかった。大人も楽しめると言っても、まあその程度だろうと。
しかし、実際に見終わると、大人も楽しめるということがよくわかった。確かに楽しめたし、じーんとくる場面もあった。その辺りを中心に書いていきたい。
特に、今回の映画の核となる「夢」というテーマの伝え方が良い。単純に「夢が大事なんよ〜」と子どもたちに伝える物語は腐るほどあると思う。
その全ての物語を熟知しているわけではないので、相対的な比較、評価はできないが、本映画におけるその伝え方は非常に秀逸だったように思う。
それは「夢=個性」という使い方。夢は自分たちらしさ。叶わないくらいなら消してしまった方がいいと考えた魔法使いの行動もまた暖かい。
すみっこたちの自分たちらしさ。すみっこたちには「すみっこ」たる理由がある。
いつか誰かに食べてもらいたい、とんかつとえびふらいのしっぽ。
暖かいところで暮らしたいしろくま。
自分探しを続けるぺんぎん。などなど。
叶えたい夢はあるけれど、それは叶わない。ただ、その夢を求める姿勢こそが一人ひとりの個性であり、良さでもある。そんなことを伝えてくれる映画だった。
あるいは、ただただ、すみっこたちの可愛さに溺れるという楽しみもあるだろう。これは本当に癒しだと思う。子ども向けとはいえ、侮るなかれ。普通に癒されてしまった。
しかし、このゆるい設定だからこそ、上記に挙げた夢の話がまた効いてくるのだろう。どこまで狙ってつくっているのかわからないが、非常にうまい構成だと思う。
監督を見ると、大森監督。夏目友人帳とかデゥラララやってた人だったかな?そして、エンディングはBUMP OF CHICKEN。この辺りを見ても、単に子ども向けにつくってないと言ってもいいのかもしれない。
エンディングテーマも良かった。大人には歌詞が刺さる。おそらく作品を見た上での書き下ろしだと思うが、映画のエンディングにぴったり。すみっこたちを優しく抱擁するようなそんな歌詞とメロディー。
そんな今回の映画だったが、おっさんの僕も夢ってなんだろう、と考えてしまった。夢はその人らしさだとすると、僕はナニモノノンダロウ。
叶わない夢を追いかけ続けるほど、立派に生きているだろうか。
叶わないと割り切って、諦めるということは、映画のワンシーンに登場した、夢をなくしたすみっこたちのようでもある。
こういうところが大人に刺さる要素なのかもしれない。僕には痛いほど刺さった。
夢ってなんだろう。それは何度も考えたはず。
僕は、誰かに必要とされるような人になりたいし、それが多くの人にとって、になればいいと思う。そのためには、自分がやっていることに自信を持つ必要があって、努力をし続けるしかない。
すみっこぐらしの映画を見て、こんなことを考えた33歳でした。