どんな呪物より自分が恐ろし

どれも偽物だ
私は見てきたたくさんの悍ましいモノを
どれもあの日と自分のその所業を超える惨さには

及ばない

呼吸が止まって冷たくなっていたのだ
「死んじゃった!」と叫ぶ母の声
「戻って来い!」と揺すり怒鳴る父

私は何を言ったか?
「死んだ方が楽になれるのかもしれない」
そう言ったな?

どうしてお前はいつもそうなのだ。
どうして、今お前は自分の顔を殴って唸り声を立てているのだ。

そんなことやってもあの子が戻って来る筈ないだろう。許されることも思うな。許しを乞い続けて朽ちて行くまで終わらん。お前は死ぬまでこうだ。
あの子の許しも、死後の再会も夢見るな。

お前が殺した。

体調の悪いあの子に蚤取りシャンプーを施し
その泣き叫ぶのを
お前は聞かなかった

お前がやった。

これからもお前は毎回こうだ。
早く死ね。死ぬことを覚えろ。
あの子のために生きるとか考えるな、死ね。

木に縄を括れば済むことだろう、やれ。
人様に迷惑は掛けぬようにな。


どうした?なぜ死んでいない?
早くやれと言っている。

さっさとしろ!!!
早くやれ!!!いい加減にしろお前この野郎そんなにまだ生きたいのかめでたい奴だな早く死体になってくれ頼むから
あの子と同じにしてくれ頼む
まだまだ苦痛が足りないもっと苦しんでから全て負ってそれから死ねよだったら
全部やれ全部だ全部やれるから言ってるんだろ?嘘つくなしょうもねぇなてめえはだから殺しちゃったんでしょうよ


ふざけるな
誰が故意に殺すものか
だったらどうしてああなった?
それは
口答えするな屑が
お前に口はねぇ
ほら全部背負って登れ
そして俺が良いと言ったら落ちろ

うわあ何と横暴な

動きたくない何も聞きたくない
逃げても何も変わらない
お前も冷たく硬くなってしまうか?


はーカタルシスやば

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