昇華としての勉強

こんな夜中にムシャクシャしながら勉強してんのな。クソがッ!

怒りは行動を起こすエネルギーになる訳だし、かなり合理的ではあるよな。

何に怒っているかというと、自分でも分からない。
石油の様に黒い負の感情が込み上げてきて、ジリジリと胸焼けを引き起こしている。
無駄に記憶力が良いせいなんだろうな。
下手に賢いと生きづらいとはこの事か?
そういや昨日の晩御飯何だっけな。


…根はこんなにも呑気なのに、不必要な負を背負ってきてしまったばかりに狂ってしまった。
全く、哀れな人の子よ。早く勉強に戻りなさい。お前にはまだやらなければならない事があるのだろう。

それにしたって、余りにも恵まれているからってこんな枷を付けるなんて…それでもまだまだやれそうだと思えてしまう辺り、調子をすっかり取り戻したみたいだ。だが、それがお前の敗因であるのだから気を付けるように。


…いや。たった今、気が変わった。
私はこの謎の加護を捨て去るが如く、万物を呪う為に生きてやる。これ以上私を生かしておいても碌な事がないと分かるだろう。
その曇った頭をよく振って、考え直すんだな。
次の誕生日を迎える前に、何らかの不幸な事故で私を殺してしまえ。その後、赤黒い染みになって世界を呪うものの一つになってやる。

さあどうだ。
私など生かしておいても仕方ないだろう。
もうこれ以上テコ入れは不要だ。
だから、もっとマシな人間を助けてやってくれ。

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