チームのポテンシャルを引き出せなかった今江監督の評価
楽天イーグルスの今江監督が2年契約の2年目を更新されず、後任は2020年に指揮をとった三木現二軍監督になりました。
今シーズンの楽天球団をそれなりに追っていた人間としては、2年契約があったとすればそれを反故にするのはどうかというほどの結果である一方、残留してほしいと思う理由が少なくて解任やむなしだと考えていますが、世間的には去年4位のチームから補強もなく順位を維持しているのだから、解任する理由はないだとか、補強もせずに結果を求めすぎているとか、(相変わらず)三木谷オーナーが堪え性がなさすぎだとかいう評価も多いので、温度差を感じているところであります。
なんといっても世間は楽天イーグルスのことを知らない
この温度差の大きな理由の1つは楽天イーグルスの内実に対する認知度の低さ。よく言われる、FAで補強して若手が育っていないだとか、浅村選手のワンマンチームだとか、スター選手がいないだとか、スター選手はいないのは事実だとして、若手選手については先発投手陣が今シーズンで若返りに成功、野手についても20代の選手が定着してかつての功労者岡島選手や島内選手に頼らなくても良くなったこと、浅村選手についてはかつてはブラッシュ選手、島内選手も浅村選手と同等の活躍をしておりワンマンチームとは言い難いこと、さらに今年は辰己選手が浅村選手以上の成績を残しており、むしろ、浅村島内という主軸が辰己小郷という形に変わりつつあるというポジティブな変化もありました。
今江監督の采配はどうだったか
今江監督の采配は一言でいうと、可よりも不可の方が多いかなというところ。
良かった点は投手陣の運用改善。石井監督時代は、西口投手、宮森投手、鈴木投手が使い潰されてしまってましたが、今年は過度の登板はなし。前は試合で投げなくてもブルペンで準備させることも多かったのですが、これは今シーズンは分からないのですが、連投や役割が複数与えられて同じ投手が色んなシチュエーションで投げる状況は改善しました。
投手についてはポジティブ要素が多く、早川投手の覚醒、先発陣の若返りと数年前の課題がクリアされつつあります。
気になった今井采配
まず何と言っても、野手の選手交代の少なさ。前の石井監督時代からですが、代打の切り札がいないというか、ちょっと前は銀次選手、今シーズンは茂木選手をその枠で使っていたけど、いつのまにかフェードアウト。それはいいにしても、走塁の交代も少ないし、延長に入っても選手が余っているという状況。
次に攻撃力を信じていないような采配。特に多用されるノーアウト一塁からのバント。これ自体極めて限定的な時に有効な戦術ではあるのですが、リーグの中でも実は上位にいる打撃陣が取るべき選択肢ではないのですが、あまりここら辺は考えていない感じしかしない。
安田選手を終盤まで二軍で使っていたというのも理解できない。大卒かつチーム上位の打撃力があり、捕手としてではなくて、指名打者でもファーストでもすぐに一軍で使いたいところですが、終盤まで二軍は理解できない。
解任は妥当か
優勝するほどの期待はないけど、最下位になるほどのチームでが4位は期待より少し下、かつ、中嶋監督のようにチームのポテンシャルを引き出すような采配もないし、ここ一番で負け過ぎ。楽天球団の過去の傾向からみても、チームの実力を期待以上に引き出せないと解任というのはよくやることなので、解任はやむなしということになります。