【インバウンド】宿業成功の秘訣X選
学生の頃にバックパッカーをしていたこともあり、将来はいつか宿屋を開業してみたいと思っていた。定年退職してからかと思っていたものの、いろいろな巡り合わせで33歳で民宿を開業することになった。
この記事はこんな人におすすめ
①今は、他の仕事をしているものの、いつかは宿業をやってみたい
②宿業の開業を決め、インバウンドをターゲットにしたいものの、やり方がわからない
③宿業を開業したものの、経営がうまくいっていない
宿屋を開業する場所の選び方
東京や京都は競合となる宿屋が多過ぎる。まだそこまで知られていない場所で、日本の魅力が詰まった土地はないか。。日本各地を探し歩き回っている中で見つけた場所が、北海道利尻島でした。
場所選びについて、大切なことは、
①自分がその土地を大好きであること
何度見ても見飽きることがない利尻山、利尻昆布・雲丹を代表とする豊かな海産物、300種類を超える草花、そして大陸を行き交う渡り鳥がある利尻島は、自然が好きな自分にとって天国のような場所だった。
②宿の受け入れ可能人数/観光客数が小さい
その場所が好きでも宿業のビジネスチャンスがなければ、開業は徒労に終る。この点は客観的なデータからドライに判断した。
利尻島は年間観光客が15万人である一方、宿の受け入れ可能人数は9万人で、圧倒的に泊まるところが足りていなかった。(泊まるところがないので、日帰り観光客が多い)
また、現地を訪問しても島民は宿が足りていないと口々にこぼしていた。(ドライな情報に加えてウェットな情報も大切)
経営計画
宿業未経験者にとって気になるのは、どれだけ費用がかかって、いくら儲かるのか?今日は実際の数字に基づいて、経営データを大公開。
基本情報
私の宿はこちら↑
・3部屋限定(1人部屋、2人部屋、3人部屋)
・素泊まりで顧客単価1万円〜1.4万円/泊
支出
【初期費用】
家 80万円(150m2土地付き)
車 130万円(スペーシア)
消耗品 40万円(布団、ランプ、机等一式)
【合計】 250万円
【月額費用】(2024年7月の場合)
水道、ガス、電気、Wifi 3万円
消耗品 2万円(衛生用品等)
【月額合計】 5万円
売上(2024年7月の場合)
1人旅 17人 34万円
2人旅 10組 40万円
3人以上旅 4組 30万円
【合計】 104万円
簡単に言うと、3ヶ月で初期投資を含めた経費を十分回収でき、
その後は自分の人件費を除くと約100万円/月儲かるビジネスになった。
細かい支出・売上情報は以下のスプレッドシート。
(共有リクエストお願いします。)
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1wUPPQuMWymJqCgenIoBATiI9sQPjfEMNRA1zu7flkNs/edit?usp=sharing
宿業を実際にやってみて分かった成功のコツ
①最低宿泊数は絶対に2泊
宿業において最も大変な仕事は清掃。
1泊の顧客を取ると毎日清掃が発生し、膨大な労働が発生。
当然ながら最低宿泊数を2泊にすれば、清掃回数は半減し、負担は圧倒的に減る。
また、2泊にすることで顧客が減るのではという一抹の懸念がありましたが、全く減らなかった。先約してくる1泊客がいなくなり、代わりに2泊客が予約をできるようになった。
②食事提供は無し!素泊まり一択!
清掃と並んで宿業の業務を圧迫するのが、食事の提供。
仕入れや食事の準備にかかる人件費を考えるとよっぽどの高単価でない限り、食事は提供せず、近隣の飲食店を推薦することが一番。
単価数百円の朝ご飯のために、前日の買い出し、当日の早起き、ゴミの増大が発生し、全くもってコストに見合わない。
③顧客のミスマッチの無くし方
私の宿は、築40年の古民家。正直言って、ハード的にはどんな顧客でも満足させることができる宿ではない。そのため、強みを宿主のサービスに置き、弱みを家の古さと設備であることを自認した。
顧客はGoogle Mapや予約サイトのレビューなど様々な情報を確認した上で予約をする。そのため、レビューを書いてくれる宿泊客にも「XXな人には向いています。XXな人には向いていません。」と良いところだけでなく、悪いところもはっきりと書くように依頼をした。
その結果、宿の強みと弱みを理解した顧客が予約するようになり、顧客満足度も上がり、開業2ヶ月でBooking.comの評価が8.9(利尻島内の宿で暫定1位)になった。
まとめ
以上、宿業未経験のサラリーマンが、どのように宿を開業し、2ヶ月でBooking .comの最高評価を取るに至ったか、その理由の一部を公開した。
・どうやったら良い物件を80万円で購入できるのか?
・日本人客とインバウンド客の対応に関する違いは?
・予約時の顧客向け自動メッセージ(クレームが絶対に来ない工夫)や実際にあったFAQは?
ここに書き切れなかったその他のマル秘情報もまだまだ多数あるので、よかったら気軽にお問い合わせください。
古民家や空き家をうまく活用することで、日本の地方にインバウンド客を呼び込み、観光で地方創生を実現していきたい。
実際に自力で得た経営的な数字や、トライアンドエラーを繰り返してブラッシュアップしたインバウンド顧客とのメッセージやり取り(テンプレート)など全て公開。
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