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Undeath - More Insane

Prosthetic Records(2024)

アメリカはニューヨークの5人組デスメタル・バンドの3枚目。2018年結成。
私が今年リリースを楽しみにしていたメタル・アルバムのひとつで、彼らの音楽は私が知るオールドスクール・デスメタル・リヴァイバルの中でも最も個性的な演奏をするバンドのひとつだ。
王道ではあるがギターリフはとにかく耳に残るし、ヘヴィではあるがどこかキャッチーな聴きやすさを残しておりメタル・バンドとしての面白さ(ユーモア)を実感する作品である。まだ結成して間もないながらも過去2作のスタジオ・アルバムも評価が非常に高く、今年来日公演も果たして確実に日本のメタラーの心も掴んでいるのは間違いない。

それはCannibal CorpseよりもストレートでDying Fetusよりもポップだ。だが何故か不思議なのは一見中途半端になりそうなところを上手くデスメタルの中にギリギリ留めているような、実は一歩間違えればすごくダサくなってしまいそうで危ない橋を渡るようなスリリングさも兼ね備えているのではないだろうか。Undeathの音楽には数多くのリスペクトと崇拝から成り立ち、それを惜しげもなく存分に落とし込んでいる。だからこそ私たちは彼らの音楽に共鳴しているのだ。

何かメッセージ性が強いバンドというわけではないのかもしれないが、これだけは確実にいえるのは彼らはメタルをとても愛していて、我々と同じように音楽を楽しみ、演奏を楽しみ、それをリスナーとともに共感しているのだ。そして今の時代へのリスナーに「俺らの音楽も聴いてみてくれ。どうだ?とてもクールだろ?」と言わんばかりのクオリティを届けてくれている。

だから安心してほしい。Undeathのような音楽が、メタルのことを心底愛している彼らのようなバンドがいる限りメタルが死ぬことは決してないだろう。
アルバムの再生ボタンを押して#1 Dead From Beyondが流れはじめたとき、スネアドラムと足音によるその行進はメロイック・サインを掲げろ。首を振れ。ヘヴィ・メタルは私たちの想像の遥か先を常に超えていく最高に狂っている最高の音楽ジャンルなんだ。と自信に満ち溢れたデスメタルへの希望を私は彼らから感じている。

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