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空飛ぶ四角ボタン


僕は子供の頃、三度引越しをした。
1回目は幼すぎて記憶がない。
2回目の引越しは、小学生の頃。
文化住宅から、念願の?一軒家だった。と、いっても特になんの頓着もなかったから、それがいいのか悪いのか、うれしかったのかも覚えてない。

そんな一軒家はすごい古い造りで、なんと形容していいのかわからないけど、とにかく無駄に古い、平家だった。
庭が森みたいで、それをバカにされた事もあったっけ。
 その家に住んでいる期間、5.6年かな。の間にたくさん変な事が起こった。それこそ、庭に置いていた自転車が盗まれたり、門扉にスプレー缶で落書きされたり、他にもまだ結構ある。今思うと、風水みたいな事てやっぱりあるのかもしれない。

そんな物騒な話ではなくて。
 ある日、クラスメイトのS君と家でファミコンをしていた。よく遊ぶというより、たまーに、遊んでいたS君。この日もちょっと久々だったと思う。
もちろん遊びと言えばゲーム、ファミコン一択。この頃のぼくはTHE ファミッ子である。

縁側というか、廊下というか。部屋の中では無いところにファミコン用のテレビが配置されていた。
 脱線するけど、当時テレビゲームをするとテレビが壊れるとか言われてた。ほんまなんかな。そんなわけで、いつ壊れてもいいような古い小さいテレビがゲーム用としてあてがわれていた。

その日は、ファミリーボクシングというゲームに夢中になっていた。S君がもってきてくれたのだ。
ナムコだったかな。ファミリーシリーズにはお世話になりました。(ファミリーサーキット最高。)

とにかく、AボタンとBボタンをひたすらに連打して戦うのだけれど、さらに連打が必要な場面があって。
 ラウンドとラウンドの間のインターバルの時間にボタンをより連打した方が体力が回復するのだ。

 連打。

あの頃の小学生なら誰もが胸を熱くさせたワードではないだろうか。笑。
 なんちゃら名人という、連打の名人まで何人か現れて、1秒間に18連打できるとか、痺れ薬を使っているだとか、実しやかに囁かれていた。
 そういうの昭和感あるよね。好き。

そんな中、流行っていたのが、
一つは定規、或いは下敷きを切り取って、バインバインさせて連打する技。
そしてもう一つが、擦り打ちだ。
ボタンの際を指で左右に擦るのだ。指の第一関節を曲げて、ちょうど爪を立てるような形にして。

ファミコンは発売当時のボタンはゴムの四角ボタンだった。しばらくして、丸いプラスチック?のような素材のものに変わっていくのだが、我が家のファミコンはゴムの四角ボタン。普通に押して連打しようにも、なかなかゴムなので戻りが遅く、はやく連打ができなかった。

そう。
これでは、体力が回復できないのだ!!!

やりなれたゲームならまだしも、なれないゲームで、ボコボコにやられていた。笑。
なおのこと、インターバルの体力回復が大事だったが、回復もろくに出来なかったので、なかなかに悔しかった。

そこで、閃いたよね。
そう、擦り打ちだ。
これしかない!

僕は地面にツーコンを置いて擦った。
ファミコンには1のコントローラーと2のコントローラーがあった。
いわゆる、ワンコン、ツーコンだ。
僕は謎のマイク付きのツーコンを使ってた。

無我夢中で擦った。
や、いなや。

ゴムの四角ボタンは弾けとび、連打はおろか普通に押す事もできなくなってしまった。。。

あまりにもびっくりして、叫んだとおもう。
悲しいやら、信じられないやらで。
僕は、ボタンがなくなったところをおしてみたり、取れたボタンをのせておしてみたりしても、反応はなかった。。。
うせやーん!


それをみてS君めちゃくちゃ笑ってた。
そうすると僕もなんだか、悲しいよりも、だんだんわらけてきたし、こんなにうけてラッキーやん、ぐらいに思えてしまった。
結局、2人で腹抱えて笑った。


その後、どうやってバイバイしたとか、ゲームをどうしたなんて事は覚えてないけど、なんせ、四角ボタンが取れた。という
ネタ 
を僕はよく覚えてる。 


あれほど大事にしていたファミコンでも、1のコントローラーがあれば基本ゲームはてぎるし、ツーコンが壊れた事よりも、うけてよかった、笑えてよかったな。
今思えば、多少悲しくても笑いなれば、まーいっか、みたいな所は小学生のころからすごくあったな。



長々と書いてしまった。
今日は高知へ。

バスの時間を12時45分だと思い込んでいて。
ほんとは12時14分てことに気がついたのは12時11分。
たまたま近くにはついていたから、かなりの勢いで焦った。おにぎり買う時間ないやん!おもいながら文字通り、バスに飛び乗りました。
これはまたポッドキャストのネタできた。

今日も素敵な日にしようねー!

2020年3月6日
神戸から高知にむかうバスの中にて
THE NATURALKILLERS/千代谷 正貴

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以前、別ブログに書いたものに加筆、修正したものです。

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