ミルクボランティアとは
こんにちは、ねこぱんち名古屋です。
先日、乳飲み仔猫ちゃんと触れ合う機会がありまして。
以前から言葉としては知っていましたが改めてミルクボランティアとはなんぞやと学んでみたくなりましたので、この場で共有出来ましたらと思います。
筆者のように聞いたことはあるよという方もいらっしゃる事でしょう。
ミルクボランティアとは文字通りミルクを与えて、仔犬や仔猫を育てる動物ボランティアの事です。
特に、最近は猫のミルクボランティアの役割がクローズアップされているそうです。
残念ながら、全国の動物愛護センターに収容され、殺処分される犬猫の内訳の半数近くがまだ乳離れしない仔猫という実態があります。
成猫とは違って数時間おきに授乳の必要な仔猫を世話するだけの人手が無い動物愛護センターでは、多くの場合、収容されて直ぐに処分されてしまうのです。
そこで、仔猫を一時的に預かってもらい、育成(哺乳や排泄を含むあらゆるお世話)に協力してもらうミルクボランティアの存在が必要となってくる訳です。
ミルクボランティアという存在により、これまで殺処分や衰弱死など、悲しい結末になってしまっていた仔猫の命を未来へ繋ぐことができると言う事なんですね。
さてさて、ここまでの話でじゃあミルクボランティアって実際にどんな事をするの?と思った方もいらっしゃるでしょう。
ではミルクボランティアのやり方、内容をご紹介していきましょう。
■ミルクボランティアのやり方・仕事内容
ミルクボランティアに託される活動内容は、主に以下の4つが挙げられます。
1日2〜3時間おきにミルクを与える
排泄の介助
毎日の健康観察をして飼育日記を書く
温度管理と保育環境の設定
どれも生後間もない仔猫の健康を守るために重要なお世話ですね。
具体的なやり方について、詳しくみていきましょう。
1.2~3時間おきにミルクを与える(授乳ケア)
子猫も人間の赤ちゃんと同じように、昼夜を問わず頻回にミルクを与えなければなりません。
粉ミルクを溶かすお湯の温度・体重に合わせたミルクの量などは、専用ミルク商品に説明されています。参考にしつつ、体重増加量などを加味しながら調整します。
昼夜を問わない授乳のお世話は、ミルクボランティアにとって寝不足が続く体力的にきついお世話になります。
こうした事情を理解したうえで活動に取り組むことが求められます。
同時に、愛らしい仔猫が日々成長していく様子を間近に見られ、「疲れも吹き飛ぶほどの喜びがある」という声も多いそうです。
2.排泄の介助
離乳前の仔猫は自分の力で排泄できません。
本来であれば母猫が尿道口や肛門を舐め、刺激を与えることで排泄を助けます。
母親の代わりを務めるミルクボランティアも、陰部を優しく刺激して排泄を促す手助けをする必要があります。
排泄が上手くできないままでは、オシッコやウンチがお腹に溜まってしまい、圧迫感からミルクを飲んでくれない、などのトラブルに繋がることも……。
授乳の時間の度に、尿道口や肛門にオリーブオイルを塗り指先で軽く刺激したり、お湯で濡らしたコットンなどでトントンと軽くたたいたりするなど、排泄のサポートも大切な役割のひとつです。
また、仔猫は下痢を起こしやすく、お尻や体が汚れてしまうこともあります。
濡れたままでは体温が下がり、健康状態に影響する可能性もあります。
その都度ガーゼやコットンなどできれいに拭き取り、清潔に保ってあげることも重要です。
3.毎日の健康観察をして飼育日記を書く
健康状態や成長をしっかりチェックすることも、ミルクボランティアの重要な活動のひとつです。
与えたミルクをしっかり飲み込めているか
消化吸収できず下痢などを引き起こしていないか
体重は増えているか
少々面倒に感じるかもしれませんが、なるべく細かく丁寧に記録に残します。具体的な記録内容をご紹介します。
◎体重測定(1日2回)
体重測定は、キッチンスケールや体重計に箱を乗せ、その中に仔猫を入れて実施します。測定頻度は1日に2回が基本です。
しっかりとミルクを飲んでくれると、1日5〜10グラム(多いときは15〜20グラム)も体重が増え、成長を実感でき楽しみも倍増します。
◎飼育日誌・成長記録ノート
毎日の体重を記録すると共に、わずかな変化も含めて細かく記録します。
排便の有無や下痢はしていないか
ウンチの色や状態はどうだったか
体調はどうだったか
ミルクをどのくらい飲み、どの程度体重が変化したか
客観的に数値で分かるものは具体的な数値を記録しますが、日々お世話を担当するミルクボランティアだからこそ感じる些細な違和感など、できるだけ詳細に情報共有をすることが望まれます。
ここまで、ミルクボランティアが実践する具体的なお世話のやり方についてお話してきました。
ですが、こうした仔猫のお世話期間(ボランティア期間)はいつまで続くのでしょうか?
■ミルクボランティアはいつまでお世話をする?
答えは、預かり時の仔猫の週齢にもよりますが、およそ生後2か月になる頃までです。
授乳期間を終え、離乳食の期間を過ぎ固形フードが食べられるようになるまでが、一般的に生後2か月前後といわれます。
よって、ミルクボランティアの役割もこの頃までを目安とするケースが多いそうです。
その後は保護団体へ返還し、家族としてお迎えいただく里親へ譲渡することになります。
では、本格的にミルクボランティアとして活動を始めるにはどうすればいいんでしょうか。
ボランティアの応募から申請手続きなど、一般的なミルクボランティアの始め方についてステップごとに見ていきましょう。
■ミルクボランティアの始め方
STEP1.募集している保護団体を選ぶ
最初に、ミルクボランティアを募集している自治体や動物愛護センター、保護団体などを探しましょう。
動物たちの送迎等を考慮し、ボランティアの活動条件を「近隣地域に在住」としているケースも目立ちます。よって、最初はご自宅近くの該当施設等から探し始めるのがおすすめです。
仔猫を保護している自治体や動物愛護団体などで「ミルクボランティア制度」を設けているかどうか確認し、募集がある場合は情報を収集します。Webサイト上の掲載情報をチェックするほか、細やかな情報は問い合わせページなどをうまく活用しましょう。
最近では公式SNSアカウントなどを通じて最新情報を発信していることもあります。定期的に確認するのも有効です。
STEP2.ミルクボランティア講習会を受講する
ミルクボランティアには一定の知識が求められるため、ミルクボランティア講習会を実施している団体も多いです。講習会では、活動の流れや管理方法などを学べます。
講習会への参加や受講がミルクボランティアの活動条件となることもあるため、日程や参加方法を確認のうえ申し込みましょう。
STEP3.登録申請後、ミルクボランティアに応募する
講習会の受講や各種募集条件の確認をし、要件をすべて満たしたうえで「ミルクボランティア登録申請書」を提出します。団体や自治体によってはメールで受け付けているところもありますが、郵送や現地での提出を求められるケースもあります。
ご自身の希望する登録団体・自治体の指示に従って登録を済ませましょう。場合によっては仔猫の飼育環境を実際に確認するため、職員やスタッフがご自宅まで伺い、現地調査を実施することもありますので、あらかじめ理解しておきましょう。
これで団体のボランティアスタッフとして認定してもらえ、仔猫を預かる準備は完了。その後はボランティア募集案内に従って、活動をスタートできます。
■ミルクボランティア活動するための応募条件とは
ちなみに愛知県のミルクボランティアについては ↓↓↓
リンクを貼っておきますのでご覧下さい。
■まとめ
生後間もない仔猫を一時的に自宅で預かり、授乳や排泄の介助をしながら育てていくことがミルクボランティアの活動です。
人間の赤ちゃんと同じくらい丁寧で頻回なお世話が必要となるため、寝不足になる上に体力的にきつい活動であることは事実です。
また、仔猫の死亡率は高く、育てている子が亡くなってしまうケースも珍しくありません。
ミルクボランティアスタッフになるには、この点をしっかり受け止めなければなりません。
ただ、それ以上に仔猫の成長に間近で寄り添い見守れるのは、ミルクボランティアだからこそ味わえる喜びでもあります。
ミルクボランティアはまだまだ少ないのが現状です。「保護猫のために手助けをしたい」と思われている方は一度、お住いの地域や保護団体に足を運んでみませんか。これを機に「ミルクボランティア」に興味を持っていただければ幸いです。
参考記事
P.N 有末悠哉