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私の高校生活を彩ってくれた唯一のもの

後悔について書くなかで、ダンス部のことを書いてたら止まらなくなって、これだけで一個の文章にできるくらいのボリュームになってしまったので



勉強命だった高校生活のなかで唯一、キラキラした、青春を与えてくれた場所がある。あんなに濃密でひたむきだった時間も空間も他に知らない。

フラフラになるまで踊り狂って、疲れすぎて笑えてくるくらいにおかしくなって、真剣に自分の身体と作品と向き合って、磨き上げていく・・・

そんな夢中で懸命で忙しくてしんどくて楽しくて仕方ない経験は、ダンス部に入らなかったらきっと得られなかった。


5歳からダンスに通い、高校ではそれも続けながらダンス部に入るっていう選択をしたので、ダンス三昧の日々だった。

なんでそんな選択をしたかって、大学進学で地元を出たらダンスを一切やめようって考えていたから。だから地元にいる間はダンスを悔いないとこまでやりきろうって決めていた。

勉強してるかダンスしてるか。その2つをひたすら往き来していた。その行ったり来たりが心地よくて、バランスを保つのに必要だった。

ダンス部は青春そのもので

みんなで汗をかいて何回も話し合ってケンカもして、協力して団結して、ひとつの作品を作り上げていく。

曲選び、振り付け、構成、衣装、曲編集、スケジュールまで全て自分たちで決めて管理して、日々の練習に打ち込む。

表向き華やかな反面、裏ではストイックなトレーニングと準備と練習が欠かせないダンス。頭も身体も心も全て使う。忍耐力も表現力も要れば、センスも体力も要る。文化系と体育会系の要素が合体している。

週6で毎日踊ってストレッチして筋トレしてっていうストイックな日々はもう二度とこないと思うと、それだけでも貴重に感じる。

ダンス部の待遇、イメージに苦しみ、全てを覆した(と勝手に思っている)3年間

その高校のダンス部は、オーディションで1学年10人しか入れないこと、上下関係が厳しいこと、先輩たちが皆可愛いことで有名だった。

授業が終わって部活が始まる時、後輩たちが先輩たちの靴やらジャージやらCDやら使うものを一式運んで、急いで着替えて、ほうきではいて、雑巾がけをする。(←緊張と焦りの時間だった笑) 

準備ができたら、みんなでストレッチやら筋トレやらをして、そのあとは振りを覚えたり、振りを入れるために何度も踊ったり、お互い見合って細かい振りやタイミングを揃えるためにやっぱり何度も同じパートを踊ったり、ひたすらダンス。

音楽が鳴っている空間も好きだし、全身を使って音に合わせて動いて、表現して、汗をかいて、っていう時間が単純に気持ちよくて楽しいのと、やめた今となっては、ものすごくリフレッシュの時間になっていたし、自分のメンタルと脳と身体のバランスをとるために必要な時間だったなと思う。

学校のなかでは(登下校中も)常にセンサー張り巡らせて、先輩を見つけようものなら離れていようが人がいっぱいいようが大きな声で挨拶、部活後は真っ暗な公園に呼び出されて先輩から説教と指導、そのあと反省会という名の話し合いを同期たちとして、フラフラになって帰って、そこからやっと大量の宿題、予習復習をこなすっていう体育会系な日々。

自分には全く向かない、というか似合わないムリのある高校生活だった。それを全力で送っていた。

あの時の自分=やる気と向上心と負けん気パワーに満ち溢れて、高校生ならではのエネルギーと体力があったっていうより、ほぼ気力で成り立ってた=だったからできた。

今だったら絶対ムリ。じんましん出る。

今でも思い返して高校時代の自分を自分史上一番尊敬するくらい、あの3年間は本当に自分の身の丈を超えて、キャパ以上に、精一杯背伸びして頑張ってた。ギリギリで生きてた。

クソだったのが、ダンス部に入ってるってだけで先生からのイメージと評判(=ダンス部はチャラチャラしてて勉強もできない?)が悪くなるっていう謎の不思議な価値観があったこと。どっからそんな偏った見方になって、いつの時代までバイアスかけてるんですかって感じでほんとアホだと思った。

しょうもなさすぎて笑えてくるし、チャラいとバカ=ダンスに結びつけて考えてる頭のなさと軽薄さに嘘でしょ?って。いや、それダンス部関係ないし笑、人それぞれやし笑、今はさすがにないよね笑

でも逆にその差別的偏見、冷たい視線のおかげで、テストも成績も3年間上位キープするっていうモチベーション?力?になったからイメージと評判が悪かろうが、実際の評価には関係ないし何なら見せつけてやるって、むしろそのおかげで燃えたんだから結果オーライ。

ほぼ空想と作り話あるいは昔話みたいなバカバカしい評価軸、勘弁してほしいことに変わりはないけど!

あとやりにくかったのでいえば、ダンス部=可愛いという校内でのイメージ。先輩たちがかわいくて華があって美人なのはいいけど、全然有り難くはない。プレッシャーだし、知らんしって話だし。

私たちの代は「ブスしかいない」といわれた。

どのツラがいってんだって、そこら辺のブスがいったか知らんけど黙れって感じだよね

(そういうこと平気でいうやつって大抵、大したことないか、自分も醜いか、人として残念でイケてないかのどれかだから気にするだけ損なんだけど)

それをきいたときうわ「みてろよ」って思った。

言ったな、って

見返してやる魂に火がついたのをすごい覚えてる、笑
うちらのダンスみとけよ、こっからみとけよ、って悔しさと負けず嫌いのスイッチがオンした。

そんなこんなで2年間の部活生活、ほぼ何くそ精神「いつか見てろよ」マインドで突っ走ってきた。自分達が最高に輝いている光景と姿だけを思い浮かべながら。

そんで私たちの代最後の文化祭ダンス部講演、過去最高人が入ったって後からきいたんだから・・・違ってたら知らんけど←重要・・・やった、って思った。

ダンス部へのイメージも私たちの代への視線も3年間でかなり大きく変わった(変えてきた)と思う。そう感じる。

ダンス部=チャラチャラ、バカっていうその高校独自の方程式も完全に覆したし、裏切れたし、撤廃できたと思う。

※あくまで主観的、個人の実感 

振り付け、衣装、曲選び、構成においてもセンスのいいこたちが多かった。親たちにも支えられた。

ダンス部ありきの経験、あの時と今の自分

何かに属すってことは鬱陶しさも縛られるのも込み込みで、それが大の苦手だった。「一員である」っていう安心感と誇りを上回るくらい嫌なことだった。やることやるのは好きだけど、それ以外は基本ゆるく自由にやりたい派なので今思うとよく入ったな、3年間やったな、って不思議なくらい。

1学年10人っていう少なさと密さと上下関係、先輩後輩とペアを組むこと←暗黙の縛りぽく感じて、好きな先輩も尊敬する先輩も自由でいいじゃないって思ってた笑、先輩=絶対、いろいろと苦手な環境で、今だったら蕁麻疹案件だったけど、その苦手に向き合うこと、居続けたこと、受け入れたこと、乗り越えたことが自分を大きく変えてくれたはずだし、貴重な経験になった。

まあ少々やりすぎな上下関係がなければ、素敵な先輩も後輩も多かったから、もっと楽しかっただろうな、やりやすかっただろうし、全体としての士気も団結力も上がっただろうな、ただ単純に普通に仲良くしたかったな、っていうのはあるんだけど。

ともかくいえるのは

高校生活=努力と青春っていえるのは間違いなく、ダンス部があったから

ってことで

あんなに濃厚で糧になった経験は人生で初めてで、今の自分につながっていて、生きている。

苦しかったからこそその分だけ、自分を大きく高く引っ張ってくれた。強くしてくれた。あの時に自分の強い芯というか軸ができた気がする。ダンス部を経験してなければ、娘を産む決意と選択はできていなかったかもしれないし、当たり前だけど、今のこの自分はいない。

ダンス部に入ったことを後悔したことは、入部が決まった当日の帰り道をはじめ何回もあったし「入らなかった場合」を想像したりもするけど

あんなにキラキラしてあんなに真っ直ぐで、葛藤もたくさんして、ぶつかり合って、ひとつのものに向かって、同じところ目指して力合わせて完成度を高めていくっていう純粋な日々は、ダンス部に入らなければ味わえなかった。

毎日の部活を積み重ねてやっと舞台に立って、照明を浴びて、思い切りはじけて出し切って、踊り終わったあとの爽快感、やりとげた達成感は得られなかった。

と思うとやっぱり感謝しかない。


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