脳天直撃学校祭ときたみワッカマツリ
朝晩が冷え込み、めっきり寒くなってきた。
北海道はこれから一瞬で終わってしまう秋を越えて、長い長い冬に入る。
毎年のことながら憂鬱な気持ちになってしまうけれど、それも仕方なし。
先日、夏の延長戦にと長野に遊びに行って来た。
毎年気になっていたりんご音楽祭。
なかなか行くまでには至っていなかったけど、きっかけができて嬉しかった。
実際に行くと移動や周辺情報など地元の人がいなければ、とてもじゃないが楽しめなかったなあ。連れてっていただけて本当にありがたかった。
(一緒に遊んでくれた方、現地アテンド・手配してくれた柿次郎さん、ありがとうございました!)
フェスも終盤にさしかかる頃。日が落ちて、Tシャツ短パンで汗をかいていた日中が嘘のように冷え込んだ。
MCが情感を漂わせ、吐き出すリリックにいろんな思いを重ねた。
「ああ、今年も夏が終わったんだなあ」
そう思いながら、改めてこの夏を振り返っていた。
脳天直撃学校祭
この夏、自分にとって大きい出来事が二つあった。
一つは十勝・更別村でおこなわれた脳天直撃学校祭。
これは今年の三月、オホーツクでおこなわれた道東誘致大作戦(漢字だらけでややこしくてごめん...!)のスピンオフ的に開催されたイベント。
道東誘致大作戦を一緒に乗り切ったが企画したものだ。
それぞれの内容については(長すぎるので)割愛するが、下記レポートを読んでもらえるとなんとなくわかると思うので読んでね。
結論から言うと、ぼくはこの脳天直撃学校祭に行かなかった。
(本当は行けなかったというのが正しいのだけれど、天秤にかけ苦渋の選択をしたので、あえてそう言う。)
このイベントには、3月オホーツクに来てくれたゲストの方達が4名(プラスキム兄)も来てくれ、さらにゲストのみなさんがお声がけしてくれたおかげで道外から多くの方に自腹でお越しいただいた。
お会いしたことのない人もいたのだけど、見知った人もたくさん来てくれていた。
「道東だし、タクローくんもいるよなあ」
もし、ほんの僅かでも頭をよぎってくれた人がいたとしたら(ものすんごい自意識過剰だけど)、申し訳なかったと勝手に自己嫌悪。
言い出しっぺしてはじまった道東誘致大作戦の流れで、当日の力になれなかったことはもどかしかった。
うん・・・改めて行きたかったなあ(泣)
きたみワッカマツリ
北見のラッパーTO FACE
8月25・26日に更別で開催された脳天直撃学校祭。
その時ぼくは同日開催のきたみワッカマツリというイベントにいた。
きたみワッカマツリはぼくの住んでいる北海道北見市で年1回、今年で5回目を数える道東最大級のフリーフェスだ。
5年前、街の先輩たちが有志で立ち上げ、少ない運営と僅かな資金でなんとかギリギリ毎年開催している。
1万人以上が訪れる、この街で暮らすぼくらにとって、とても大事なお祭りだ。
ぼくはこの二日間、公私ともに仲良くさせてもらっている魚食系男子プロジェクト・川口くんとの合作「魚食系スパイスカレー」を引っさげ出店した。
写真、全然おいしくなさそう...本当はめっちゃおいしいから!
ワッカマツリへの道はとても険しい。
資金集めからはじまり、コンテンツの調整、情報発信、会期の前後一週間ずつは朝から晩まで設営・撤収。
実行委員はユニックで何往復もし、頭を下げながら機材を借りて回り、大工さんが仕事終わり夜な夜な作業してステージを設営している。
そんな街のマンパワーを少しずつ結集して、なんとかマツリは今年も成立した。
もちろん実行委員はビタ一文もらってないどころか、赤字の際は不足分を手出しした年もあるみたいだ。
お金のためでも、名誉のためでもない。
今ぼくたちが享受できる楽しさは、ワッカマツリがはじまるずっと前から、そんな先輩たちの積み重ねのおかげで存在している。
そしてこの時期には毎年ボロボロになりながら、マツリをつくりあげていることを尊敬している。
これまでこの街の文化をつくってきてくれたことにリスペクトを込めて、自分もできる限り貢献したいと思っているし、今まで繋いできたことを絶やさないために、自分にしかできないことをやっていきたいと思っている。
脳天直撃学校祭と天秤にかけた。
今回は苦渋の決断でこのマツリをできる限りサポートすることと、当日を少しでも盛り上げると決めた。
いままでを繋げて、これからをつくっていくために
生まれ育った北見はもちろん好きだし、思い入れも深い。
ただぼく自身は、北見という街だけではなく、道東というフィールドで活動していると宣言している。
もっと広域にわたるエリアをフィールドにすることで、より楽しく生きていけるのではないかと考えているからだ。
北海道は広く、隣街とは物理的に離れている(車で片道1時間とか)。
必然的に普段過ごすコミュニティは暮らす街に限られてしまうし、隣街と言えどお互いのことをよくわからないのがほとんどだ。
北見への想いを書かせてもらったSUUMOタウン。これも読んでね!
もしも、そんな限られたコミュニティで閉塞感を感じていたり、居づらさを感じる人がいるとしたら、もう少しエリアを拡げるだけでそれは解決できることがきっとある。
そこには当たり前に違う人がいて、あなたを理解してくれる人も、自分と似た価値観を持つ人もいる。
現にぼく自身は道東を動き回る中で、多くの街の人と知り合い、自分の住む街のように遊びに行ける場所がたくさんできた。
狭すぎる、小さすぎるコミュニティがこの地域で暮らすネックになるとしたら、そんなものは早くぶっ壊したい。
ぼくにとって、そのための大きなチャレンジの一つが道東誘致大作戦だった。
少しずつだけど、きっと進んでいる
道東誘致大作戦が終わってから、半年ちょっとが経った。
冒頭の脳天直撃学校祭がおこなわれたり、この時の縁がきっかけで動いていることや繋がりがたくさんうまれている。
まだまだこれからのことばかりだけれど、その中でも地域に住むぼくたちが緩やかに繋がっていっていることが一番嬉しい。
道東誘致大作戦と直接関係があるわけではないけど、道東が生んだスパコンかずきゅんが主催してくれた#北の合宿2018秋。
開催地になったえづらファームがあるオホーツク・白滝以外からも東京・札幌・函館・十勝・釧路と道東誘致で出会ったメンバーが多数参加してくれた。
(みんなnote書いてて偉い)
新たに声をあげる人もでてきてくれた。
不恰好かもしれないけれど、みんな少しずつ動き出している。
photo by はらちゃん
誰かが変えてくれると思って何もしなかったら、今、当たり前にあるものも簡単に無くなってしまう。
ぼくが地元に戻ってからの数年間でさえ、何度も経験したことだ。
金魚のフンでいるだけでは途切れてしまう。
享受するだけではいつか潰える。
今までのバトンをこれからに繋げていくために自分が変わっていこう、動いていこう。
「これからの楽しさ」は他でもない自分たちでつくっていくしかないのだから。
「今の楽しさを提供してくれる」先輩たちに最大限敬意を評し、できることをやる。
その一方で、違う領域の自分たちにしかできない新しい挑戦をし続ける。
ぼくにとって前者はワッカマツリ(にまつわるカルチャー)で後者が脳天直撃学校祭(道東誘致大作戦界隈)だ。
二つをぐるぐるぐるぐる、ぼくはこれからも力の限りやっていこうと思っている。
自分も何かを残していけるように。
そんなことを考えた夏の終わりだった。
写真:はらちゃん・ちひろ・わたし
動画:MarioWorks