海外でビジネスをするには・・・③自走式組織を志す
おはようございます。
先々週から、自分の経験や体験を通じて感じた「日本の会社は、こうやれば、もう少し海外ビジネスをうまくできる」を書き始めました。
前回は、「優秀な現地人材を獲得するにはどうするべきか?」について書きました。
今日は、「優秀な人材が自律的に行動する自走式組織を創るにはどうすれば良いか?」について書いていきたいと思います。
能力よりモチベーション
優秀な現地人材を獲得したら、彼らのモチベーションを上げることを考えなければなりません。
どうやって彼らのモチベーションを向上させれば良いでしょうか?
毎日、彼らの「尻」を叩いてまわりますか?
そんなことで、社員のモチベーションは上がるでしょうか?
「社員が自らモチベーションを上げて仕事に向き合ってくれたら良いのに?」
私は真剣にそう考え、一つの仮説を立てました。
大半の社員にとって収入は最重要事項のはず
だから、会社の業績が上がれば社員の収入も上がる仕組みを創れば、社員は自らモチベーションを上げてくれるはず
会社と社員は運命共同体
社員が会社を発展させる。その報酬として、会社は社員を豊かにする。
つまり、会社と社員は運命共同体なのです。
けど、最近まで、日本の経営者は人件費をケチり、会社の内部留保だけを肥らせてきました。
「会社の業績が上がれば社員の収入も上がる仕組みにすれば、社員は自らモチベーションを上げてくれるはず」という仮説のもと、私は賞与制度改革を実行しました。
それまで曖昧だった賞与原資決定方法を、「会社利益の1/3を社員賞与原資にする」と明確にしました。
あなたは会社業績から社員賞与を計算できますか?
私が実行した賞与制度改革とは、業績連動型賞与にした、ということです。
「そんなこと、他の会社でもやってるよ」
そう思われましたよね?
そうなんです、私は、何も変わったことや新しいことをしていません。
ただ、私の目的は「社員が自らモチベーションを上げる」自走式組織なので、そのために以下のことを意識・実行したことが他と異なると思います。
まず、ルールをシンプルにしました。
業績連動型賞与を採用していても、計算方法が非常に複雑で分かりにくいことが多いです。
現在の勤務先の賞与原資の計算方法を言えますか?
私は、勤務していた会社が業績連動型賞与を採用していましたが、賞与原資がどのように算出されるかは全く理解していませんでした。
私はシンプルに下図のような「利益三分法」を採用しました。
そして、制度実施前のみならず、制度実施後も、毎期末にマネージャークラスの社員を集めて賞与原資計算方法についての社内講義を実施しました。
「当期業績見込みから当期賞与原資がいくらになるのか?」
「来期予算を元に来期賞与原資がいくらになるのか?」
各マネージャーに上記問題を実際に計算・解答してもらうことで、当該制度の浸透を図りました。
また、全社員に対して四半期業績報告を発信していたのですが、同時に「月給の〇ヵ月分の賞与原資を獲得」と、その四半期で獲得した賞与原資を全社員に発信しました。
業績及び賞与原資獲得の進捗情報を社員と共有することで、各社員が取り組んでいる業務への更なるモチベーション向上を期待しました。
「今期の売上目標は〇〇円」って必要ですか?
「今期の売上目標は〇〇円」って掲げる会社が多いですよね。
でも、この会社が掲げる目標に共感して、「よし、今期も頑張ろう!」って思う社員ってどれくらい居るのでしょうか?
私は、いつもこのような会社の業績目標に対して、「知らんがな」って呟いていました😅
会社が目標とする業績には具体的な数字を掲げるのに、それを達成した時の社員への報酬は具体的に提示しない。
こんなやり方をする経営者、「都合良すぎ」って思いませんか??
なので、私は台湾現地法人在任中、一度も業績目標を掲げませんでした。
でも、先ほどの「会社利益の1/3を社員賞与原資にする」仕組みのお蔭もあり、社員の「尻」を叩かなくても会社業績は右肩上がり、社員の賞与も右肩上がり、となりました。
因みに、社員の年間賞与平均支給額は、就任前年が月給の約5ヵ月分でしたが、在任中は毎年増加し、在任最終年は月給約11ヵ月分にまで増えました。
ただ、当然ながら、自走式組織も良いことばかりではありません。
たまには暴走することもあり得ます。
では、自走式組織が暴走しないようにするためには?
これについては次回書こうと思います。
ということで、今回、私が言いたかったことをギュッと要約すると;
「社員が自らモチベーションを上げる」自走式組織を創るにはシンプルな業績連動型賞与を採用しよう
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