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『仕事と家庭に両立はない』とあるフルタイムワーママの答え

 大手自動車メーカーから半導体関連企業に転職して一年近くが経ちますが、仕事と家事のバランスが自分の中で納得できて来たので、その理由をまとめます。


仕事と家庭に両立はない

 まず初めに、両立しようと頑張っている全世界のパパママごめんなさい。あくまで私の答えだと思って読んでください。

 私は当初、”仕事と家庭の両立は出来る!”と意気込んでいたタイプの妊婦でした。そもそも実は子供を持つ予定はなく(身体的な理由から持てるはずが無く)、仕事上のキャリア1直線で生きていくつもりだったので、第一子妊娠に気づいたときは相当戸惑ったのを覚えています。
 それもあり、産前休暇から復職までは半年、在宅勤務も活用しつつのフルタイムでの勤務を始めました。

 復職直後は、睡眠や食事の時間を削ったりいろいろ無理をし会社で倒れたり、精神的にだいぶ追い詰められましたが、転職して環境も変わり、仕事と家庭に両立はないと腑に落ちました。
 もう独り身の時のように、100%全力投球で仕事することはできないのです。

 子供がいる以上、仕事の時間は減る
 仕事がある以上、子供との時間は減る

 ご飯を作る、お風呂、寝かしつけ、そして最低8hの労働。夫と相談し、仕事と家庭への割り当て時間の変更は一時的には出来ても、カットできない時間がある以上、気持ちを切り替えて、取り組んでいるときにその時間を存分に楽しむのが唯一私にできることです。

 以前は、仕事をしているときは、「家事をしないと…」と心によぎり、家事をしているときは、「仕事が…」と、できない自分を責めていました。
 最近では、仕事しているときは、「仕事楽しい!」と全力で楽しみ、家事をしているときは、「ママやってる私えらい!子供かわいい!」と全力で癒される考え方にシフトしました。これでだいぶ楽になりました。

前職と現職で感じたこと

 復職して待っていたのは、すでに子育てされている方はご存じ保育園の洗礼、毎月、1か月に1週間は病気を貰ってきて在宅勤務(?)しなければいけない期間です。
 さらに、子育ての手番がある以上、今までのように残業もできず、24時間の仕事に対する割り当ての時間は、否応無しに短くなっていきました。

 前職は男社会で、女の私は比較的簡単に帰れる風潮だった一方、夫は”奥さんいるんでしょ?”とあまり帰ることが出来ない雰囲気でした。
 私としては助かりますが、身近な男性では、仕事のサポートを得られないのに帰らざるを得ず、業務がどんどん遅れて巻き返せなくなるとやっと管理職がサポートしだす…とそんな状況も目にしました。

 一方、現職では、なんと一般職男性だけでなく役職者の男性も"子供が体調悪いので"と帰宅するのが当たり前。
 子持ち女だから働けない、という悪目立ちはなく、”家庭がある身はそういう時期もあるよね”というフラットな受け止めで、心が楽になったのを感じました。

 *あくまで感想なので、前職も職場によっては働きやすい場所があったのかもしれません。私の業務は周りが経営者や役職者だらけだったので、必然的に専業主婦持ちの仕事全振り男性が多かった状況でした。

必要なのは、仕事を好きになることだった

 考え方を変えるために必要だったのは、仕事を好きになることでした。

 仕事では、以前は「既に夢をかなえて二輪・自動車エンジニアになって成長している周囲に追いつきたい」「成果を上げて部署異動を叶えたい」と、好きではない開発マネジメントの仕事を無理やり消化する日々でした。
 その努力のためには、家庭が邪魔だとさえ感じた時もあった。

 でも、題材は乗り物ではありませんが、技術職に転職できた今は、純粋に仕事している時間が楽しいと感じるので、必要以上に成果に固執しなくなりました。
 技術の勉強をして、その知識で課題を解決し、お客様に(英語で)説明して届けて喜んでもらう、前職でやりたかったけど出来なかった立場です。

 家庭がある今、独り身で入社して全力で勉強できる若手社員や、これまでその分野でやってきた同僚達には、スーパーマンではない普通の私はきっと追いつけないだろうけど、好きなことがやれているという満足感は、確かなモチベーションとなって私を支えてくれています。

 仕事に満足感があると、家庭にもよい影響がありました。

 成果に固執しなくなったので、家事をしているときの「仕事をしないと…」という考えが頭の中から消えたのです。結果として目の前の子供とのご飯や、お風呂に入る時間を楽しめるようになりました。
 では、仕事のことを考える時間が減ってパフォーマンスが落ちたかというとそういうことはなく、同じ最低8時間の仕事をしていることに変わりはありませんし、むしろ楽しく取り組む8時間はあっという間で、集中力が高まっているのを感じます。

 時期的にも、子供がもう3歳近くになり、意思疎通が出来るようになったから、というのもあると思います。正直産まれたて~1歳くらいは、生かすのに必死であまりかわいがれていなかったかも…。

私の仕事との付き合い方

 たいていの人にとって、仕事はもちろん生きるために必要な行為ですが、子供を持つとさらにその義務感が増すのではないでしょうか。

 では、「お前のせいでこんな仕事をしなくちゃいけない」「働いてやってることに感謝はないのか?」「そもそもお前なんか生まれてこなければ…」と、子供に鬱憤をぶつける親に、あなたはなりたいですか?

   私は絶対になりたくないです、私の母親のように。

 そのためにはむしろ、仕事は私にとって、「ママが好きだからやってる」「甘えたいところ我慢させてごめんね」くらい言えるような存在が良い。

 今後もいろいろ悩むと思いますが、あくまで自分が働きたいというモチベーションを第一に、仕事と家庭に向き合っていけたらなぁと考えています。




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