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リフレ理論(または経済学) vs MMT
これは「新しいMMT入門」の第一回!
(先に書いて公開済みの予告編はこちら。ぜひご一読ください。)
銅鑼さん、リフレ派(と、わたくし)
先日の予告編で、ネット活動における自分のロールモデルである岡田靖さんの主張を、「間違っていた」と断言してしまいました。
岡田さんとは?
Wikipedia にも彼のページがあるのですが、その経歴だけを考えれば Wikipedia に載せるほどの何かがあったかというと、ほとんどの人はピンと来ないと思う。
ネットの経済論壇を活性化させた中心人物でもあり、「銅鑼衣紋」(「ドラエモン」)というハンドルネームや匿名を駆使し、「いちごびびえす」・「黒木のなんでも掲示板」・「2ちゃんねる」などの電子掲示板や様々なブログ(その中には経済学者のブログもある)のコメント欄に出没し啓蒙活動を行い、多くの若手経済学者のロールモデルとなった。
ぼくがお世話になったと勝手に思っているのは2000年-2006年くらいまでだったかなあ。いちごびびえすが縮小してしまって。
修士課程の二年間を上智大学にいた岩田規久男の元で過ごし、リフレ派の最古参の一人として知られている。
岩田規久男とは黒田日銀時代に副総裁を務めた(2013-2018)あの方。
銅鑼さんが岩田の元の院生だったのは1980年より少し前と考えられるわけですが、その後1990年代のいわゆるマネーサプライ論争(岩田 vs 日本銀行の翁さん)に発展するところの、マネタリーベースとマネーサプライに関係についての着想(インフレ率だったかも)は、銅鑼さんのものだった?という「伝説」があります。それが本当かは知りませんよ。
日銀副総裁といえば、のちに岩田を引き継いだ「若き副総裁(2018-2023)」若田部さんもたまに掲示板に現れていた。
反デフレTwitter署名活動
2009年11月のこと。
こんなことがありました。
かつて上記の掲示板において、銅鑼さんと並び立つ有力コテハンの一人だった田中秀臣さんがブログで次の告知をしたのです。
反デフレのTwitter署名活動
勝間和代さんが反デフレの署名を集めて国家戦略室の菅大臣に手渡すという。賛成される方は以下をフォローされたい。
2009年なので、これは民主党政権時代。菅大臣とは菅直人のこと。
実はぼくもこの Twitter 署名しましたね。
わざわざこのために Twitter アカウントを作って。
当然岡田さんも署名してたんじゃないかなあ。
直後、勝間さんはすぐにブログを更新しました。
今も読めるんだ!
このエントリの冒頭に出てくるPDF資料はいまリンク切れになっているので、インターネットアーカイブにリンクしておきましょう。
岡田さんが説いていた現状分析と処方箋は、おおむねそこにまとまっている通りです。
リフレの論理
勝間さんはさすがコンサルというが、よくまとまったプレゼン資料です。
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矛盾?同じ? MMT vs 経済学
あらためて読み返しましたが、そうですね、やっぱり良いまとめだと思う。
ブログの本文の方もなかなか…
そして予告したように、MMTのレンズからは、このすべてが誤りだと断言できてしまう。
ところが、いまMMTに理解を示す経済学者の中にも、このすべてのスライドを「誤りである」「でたらめである」と批判できる人はおそらく一人もいないのではないでしょうか。
リフレとMMTと言えば、上の田中秀臣さんは同じブログで、最近こんな記事を書いている。
… この論文のようなモデル化の成果がないと、いったい何がMMTの特徴で、なにが問題点なのかわからない。モデル化は必要ないという変な意見もあるがとんでもないことだと思う。
浅田MMT的モデルの結論を先に書くと、従来のケインジアン動学モデルでいえることをわざわざMMTというレッテルで売り出しているということに尽きると思う。つまりMMTには新規性がない、あるのは不明瞭な発言と既存のすべての経済学との差異の強調、さらには政治的ふるまい、ということになると思う。
ここで田中(いきなり敬称略)は、MMTは新規性がない、言っていることは経済学と違いがないとの主張をしています。
繰り返しますが、上でぼくは、MMTは経済学を完全に否定していると書きました(書いたつもり)。
対して田中は、MMTは経済学で言えることを言っていると書く。
みなさんは、これがどういうことかわかりますか?
ここ「新しいMMT入門」のゴール
このコンテンツ「新しいMMT入門」(仮)を通して、ぼくは一人でも多くの人を、この現象を理解できる境地にお連れすることを目指します。
「MMTを理解すること」は、そうなるということ。
回数は、にゅんさんの続けたいだけ続けて下さい!
— Morohoshi Tao (@MorohoshiTao) March 24, 2024
何年掛けても大丈夫です。
ぼくは、署名してしまった過去の自分をすっかり葬り去ることをもって、銅鑼さんの供養としたい。
彼がいなかったら、ぼくはこんなことやっていない。
そういえばやはり上記掲示板の有力コテハンだった飯田さんが、岡田さんの急逝後、ひとつのエントリに彼の業績をまとめている。
もうそれを読みに行くことはないだろうな。
そういえばこの飯田教授、先日、金融政策に関する記事を note にアップしていた。
お笑いネタ
金利を上げたいなら金融緩和しなさい
笑ってしまった。
が、笑い事ではないのだ。