四季「ノートルダムの鐘」感想
劇団四季が好きです!
と言ってもそこまでガチじゃないのですが、好きな作品を何作か、2か月に1回ほど観劇している程度。
その程度のファンの感想だと思ってみていただけると嬉しいです。
役者さんのお名前とかは憶えてないレベルです…作品で追ってる。
一番好きなのが「ノートルダムの鐘」!
2017年に初めて見て号泣、去年1回(もう1回分チケット取ってたけどコロナで中止になりました。泣いた)、今年2回です。
何度か見た上での感想なのですが、何度見ても毎度新しい感情をいただきます。
以下ネタバレします。できたら四季のノートルダム見てから読んで。四季の「ノートルダムの鐘」を見てくれ。
まず語るべきは、フロローについてだと思います。
アニメ版と最も違うところはフロローですよね。(ディズニー映画が原作と違うというのがそもそもなんですが)
私は先に四季版を見たので、アニメ版の「フロロー…おもしれー男…」感にびっくりしました。
四季版のフロローのいいところって、ただただ彼が「普通の男」であることだと思うんですよね。
普通の男が、努力して、誠実に、心神深く、真面目な男が、そんな男が恋に狂って破滅する。それが何よりの萌えポイントですよね。
フロローは初心っぽい感じがすればするほど良いと思います。うろ覚えではあるのですが、2017年で見たときは、黒髪を後ろになでつけて、若々しいイメージでした。2022年のはあまり覚えていなくて、2023年(今年)が、2回見てどちらもひげ面で…ちょっとイメージと違って…
2017年はかなり後ろの席だったので、お顔見えていないので、自分の脳内でイメージ固めてしまった可能性はあります。
努力で「正しさ」を身に着けて、実績を積んで偉い人になったフロローが、さげすんでいるジプシーの女へのたったひとつの恋で全てを失うんですよ…最高ですね。
そして主人公カジモド。
無垢でかわいいねカジモド…
フロローが普通の男なので、その完璧じゃない、ただの男に育てられたカジモドも歪で、かわいいね…。
石像たちの言葉はきっと、すべてカジモドの心の声なんだろうなぁと解釈しております。心の中はとても流暢で、とても賢いんだね。でも身体的なところもあってうまく外に出せないんだろうな。もしかしたら言語化されていないかもしれない。
フロローを愛しているカジモドが愛しいですね。フロローも、愛情は持って育てていたでしょうし。なんたって彼は「正しい男」だから。
フロローがカジモドに自ら何度も手を伸ばしてるの、愛情だけが理由じゃないけれど、愛情もあったのかなぁと思うと愛しいです。
教育と対人関係の不足から、愛憎のふり幅がでかいの良いですよね。
エスメラルダ!
最高の女ですね…彼女も「普通の女」だと思います。
「なぜ私なの…?」のセリフが好きです。本当にそうだよ。なんでエスメラルダなんだよ。理由はただ、恋なんです。
パリに来るまでにもたくさん苦労したんでしょうね。なんたって若い美しい女ですから。きっと苦労して、悲しい思いもして、強くなった女性なんでしょう。
そんな彼女が、カジモドの子供みたいな、ただ「優しくされたから嬉しい、ありがとう」みたいな対応に癒されたのかなぁと思ったり。
フィーバスとの関係は確かに恋愛としてあったものだと思いますが、恋愛感情抜きに(カジモドからの感情が恋愛だったとしても)カジモドとの関わりに救いを求めたのではないでしょうか。
ジプシーについて勉強が足りていないのですが、クロパンのセリフからも、放浪の旅から、どこかに根を張って暮したいという気持ちがあったことでしょう。エスメラルダもそうだったから、カジモドの「一緒にずっとここで」という言葉を「無理だと思うけど…」とは言いつつ強く否定はしなかったのかなと思いました。
人間って同じ人間をすぐ違うものにしてしまうじゃないですか。
男だ女だ、それ以外だ、人種だ年齢だ、顔だ身長だ、なんだかんだ。
多分永遠にその問題繰り返すとは思うんですけど、己の怪物性を理解して生きていきたいですよね。
人間である限り己の加害性をなくすことは無理だと思うんですが、理解して飼い慣らすことってできますよね。
本当に、最高の歌と解釈と演技とダンスを見せていただいて、劇団四季様ありがとうございます…
チケット代以上のものを毎回いただいております。
70周年おめでとうございます。これからもよろしくお願いいたします。
全ての公演で抽選販売してほしいです。チケット戦争に勝てません。(電話でのチケ戦まだやってないので、次回からやってみます)
出演者のすべてが歌うまくてダンスしながら歌えるって正気か…?その中でさらにうまい人がいるって…何人も…現実か…?
現実に感謝します。
次のチケットは9月に舞浜です~
楽しみ!
【追記】
CD買って聞いてるんですが
ジェアン→美少年ってわざわざ言うって、つまりそういうことですよね?
孤児で美しい男で、いやな目に合わないわけがないし、そこで優秀なお兄さんは真面目な先輩にかわいがられて自分はそんなに勉強ふるわないってなったら、まあそうなりますよね。それをフロローは知っていたのかなぁ。二次創作がはかどりますね。
「世界の頂上で」の部分で、カジモド×エスメラルダ過激派になりました。
上から、人間の顔が見えないところではこの町はこんなにも綺麗なんだとエスメラルダが感動する歌。
けしてこの町を好きだとは言っていない。そりゃそうだよな。
彼女もまた貧しくジプシーで美しい女なんですよね。一番弱いところにいる彼女。強くなるまでにどれだけのことがあったんだろうなと思うと、カジモドと世界でたったふたりの世界の頂上での時間が、どれだけ彼女にとって価値があるんだろう…と思うと強火になります。
エスメラルダが特別な女になった理由は、彼女が「強くなることのできた女」だったのかな。だからもっと強いものにぐっちゃぐちゃにされる悲劇。
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