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サインを感じるうちに

母が直腸癌になってから、その事について色々調べています。

こんな事が無かったら、知る事も無かったような事が
後から後からどんどん出てきて、全部知り尽くす事なんて出来ないな
と思いながらも、なるほど!なるほど!ととても興味深い。

そもそも自分も便秘がちなので、快腸になる為のあれこれについて
昔から色々調べていたし、色々試してもいたけど
最近はそれ以外でも、人間の体について色々興味が出てきて
筋肉がどうだとか、骨がどうだとか、リンパがどうだとか
生まれて結構時間が経つけど、自分の事すら知らない事だらけ。
改めて人間の体ってスゲー!と感動しています。

感動するのと同時に、全然使いこなせてない自分の体
もったいないなと思う事がいっぱいで
だからダメなんだ!を知る事も出来ました。

どこも調子が悪く無かったら、ただなんとなく過ごしていても
私たちは普通に生きていて、普通に生活してるからなんとも思わないけど
呼吸が大事とか、姿勢が大事という事を調べ始めたら
そういう事がちゃんと出来ないと、どんどん積み重なった良くない状態が
体調悪いなのサインを出しているじゃないか!と思うようになってきた。
体は全部繋がっていて、どこか1つを良くしてもダメなんだと。
だからどこか1つ良くないだけでも、みんなに影響が出ちゃうんだと思うようになった。

直腸癌の手術をして、肛門が使えなくなった母が、今どんな事になっているのかを知りたくて
色んな事を調べるうちに、こんなに肛門ってスゴイ所だったんだね!も初めて知った。
この何十年、当り前のように排便したり、おならをしたりって
まぁここでしちゃまずいよなは調整したりしたとしても
その事をたいして何も考えず、自然とやってきた事だけど
そんな調整が出来るのが肛門だったわけで、今の母はその機能が無くなってしまった。
人工肛門というのは、全く自分の意思では調整が出来ないんだそうで
そうなって初めて、今まで調整出来てたんだなを知るわけです。

『私、肛門様とお別れした』と言ってた母
術後1ヶ月くらいで退院して、数週間自宅で過ごし、抗がん剤投与の為に1週間ほどの入院生活が始まった。

『もうなっちゃったものはしょうがない』と新たな自分の体に向き合う母
落ち込んでいてもしょうがないと、カナリ前向きに日々研究している。
家に帰ってからは、以前と同じように家の事もやって、料理もして
結構普通になんでも食べて、お酒まで少々楽しんでるとも言っていた。
どんな物を食べたら、どのくらいの時間でどうなるか?などなど
この薬をどのくらい飲むとどうだとか、日々メモってるらしい。
出口がダメになっただけで、相変わらず快腸な様子だ。全く痩せてもないらしい。

一応手術で取り切ったはずの癌だけど、見えない取り切れてない部分があるかもだからというわけで
抗がん剤の投与をするという説明だったらしいんだけど
点滴で、作り立ての抗がん剤が投与された事に感動したそうで
何とかって薬をどのくらい、そこに何とかってのをどのくらい入れてって
出来合いのモノを入れるんじゃなく、調合しながらの出来立てホヤホヤが入ったよ!と感動していた。
そんな事、私も初めて聞いたので、へぇ~とびっくりした。

カナリ太い針で入れるので、点滴してる間も痛かったそうだけど
2時間くらいかけて、ぽたぽた徐々に体に入ってきて
ちょっとウトウトしたりする頃『大丈夫?気持ち悪くない?』と
看護師さんや先生が、しょっちゅう声をかけて心配してくれたんだそう。
途中体調が悪くなったりする事も無かったそうで、良かった。

今までこんなにも大事にしてもらった事ある?ってくらい
自分の事をこんなに気にしてもらって、優しく『大丈夫』と言ってくれる
もうそれだけでありがたいと言ってたけど、本当にそうだよね。

そろそろ終わるなっていう、あと数滴残ってますの状態で
最後の1滴までもちゃんと入れなきゃ意味がない!と何かまた別の液体を入れて、最後の1滴まで丁寧に入れてくれたそうで
自分でごはんを作る時『出来立て』や『キレイに残さず食べる』にこだわる母なので
そういう所にもイチイチ感動したそうだ。

こんな話、家族がこんな事にならない限り知らない話だった。
きっと自分が投与される立場だったら、そんな事に注目する余裕もなかっただろうし
そもそもそんな事に注目して、イチイチ感動してる母からじゃなきゃ聞けなかった。
それで?それで?とあれこれ聞きたい初めて聞くような話も
身内じゃなかったら、そこまでしつこく聞く事も出来ないだろうけど
母自身も初めての事に興味津々で、薬を入れる度に
『それ何?』とか『何の為の薬?』と質問しては、メモってるらしい。
カナリ面倒クサい患者だけど、私はとてもイイ事だと思う。

深くは知らないけど、抗がん剤を投与すると、気持ち悪くなったり
髪の毛が抜けてしまったりというのは、なんとなく聞いた事があったけど
そういう症状を抑える為に、事前に飲み薬が出たりするんだそうで
それについても、その薬がどんな物なのか、イチイチ聞いては、メモしてて
入院2日目に、同じ薬が、同じタイミングで出たんだけど、前日と飲む量が違った事に
『今日は〇粒なんだね~』と何気なしに言ったら
うっかりミスで1粒足りないんだったそうで、追加されたんだそう。

これが命に係わるようなミスだったら、娘の私は訴えなきゃだったかもしれないけど
自分もしょっちゅううっかりミスをするので、あるよね、そんな事と思ってしまう。
でもちゃんとそれを事前に自分で防げたってスゴイ!なと思う。
母は自分の体に入れる物は、全部ちゃんと知りたいんだそうだけど
それって大事な事だなと思ったよ。何でも人任せはダメだね。

早速体の中から色んなサインが表れてるらしいけど
気持ち悪さは無いものの、指先に冷たいモノが触れるだけで感電したような
ビリっとした刺激があるらしい。
ついうっかりトイレで手を洗う時とか、冷たい水の入ったボトルを持つとか
今まで普通に出来た事が出来なくなった事を実感した時、やはりショックみたいではあるけど
それと同時に自分の体がちゃんと反応してる事には感動していた。
そして恐ろしい事だなとも思ってるんだそう。

癌細胞だけをやっつけてくれたらイイけど、元気な細胞までダメにするほど強い薬らしく
本当に体力の無い人だと、そのせいでだいぶ具合が悪くなるみたいな事を言っていた。
母はそもそも元気だし、よく食べるし、体格もイイので、華奢な病弱な人よりは
きっと耐えうる体なんだと思うけど、それでもこんな状態になる。

さらにこの抗がん剤を投与された人のお世話をする人の話も聞かせてくれたんだけど
これまた初めて知る事でびっくりした。
今まさにテレビでよく観る、コロナ対応する病院スタッフのように
全身防護された状態で、看護師さんたちが母のお世話をしてくれているんだそう。
抗がん剤を投与された体から出る全ての物(汗とか、唾液とか、排せつ物とか)に健康な人が触れると、その人の体に良くないんだそうで
そのくらい恐ろしい物を投与されたんだとわかった時に
やっと自分が大変な病気になってしまったと思ったんだそう。

今頃?とも思うけど、今どき癌になる人なんていっぱい居て
誰でもなるんだし、なっても元気に生活してる人も増えてきた中
悪いとこを手術で取って、抗がん剤を投与したら、治っちゃう!
くらい楽観的に思っていた母は、今回の経験から、この状態をあと8回
約半年かけて続けなきゃいけない事に、そんなに耐えられるかな?と
初めて弱気になってきたそうだ。

まぁ私だったら宣告された時点ですでに弱気になると思うけど
ここまできてやっと弱気になった母。
病気になったら『死ぬのかな?』って弱気になるのは当たり前だと思うし
そんな母に『大丈夫だよ!』と思えるような、先人たちの情報を教えてあげたい!とまた色々調べている今日この頃です。

色んな人の体験談、本当に公表してくれてありがとう!と思います。
こんな事になってみなきゃわからないことだらけ。
知り過ぎるのも怖いけど、知らないのも怖い。
病気自体の治療はプロにおまかせしなきゃだけど、頑張る気持ちを奮い立たせる為の情報や、励まされる情報は、是非どんどん知らせてあげたい。

日々の生活で当たり前になり過ぎて流してしまうような
心のサインも体のサインも、ちゃんと敏感にキャッチしなきゃと最近よく思う。
キャッチ出来なくなってからじゃ遅いけど、キャッチ出来るうちなら
きっと何か改善に向かうじゃないかと思うから。
キャッチした時には、じっくりその事も考えるし、その考える時間も大事だなと。

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