高エネ研南側未利用地土地利用計画
つくば市のパブリックコメントページでは、提出した意見の内容が要約されているので、2021年12月のパブコメに提出した内容を記事にしてみました。
ま、こんな意見もあったということで。
当該地の位置づけ
当該地は研究学園地区の北端に位置し、つくば未来構想(2020)において将来都市構造として掲げる「ハブアンドスポーク型都市構造」の南北軸ハブの北端にあたり、つくば市立地適正化計画(2018)で地域居住整備区域として位置づけられた筑穂・花畑地区、地域居住維持区域として位置づけられた大曽根地区に隣接している。
また大曽根地区についてはつくば市未来構想においては地域生活拠点としても位置付けられており、当該地を含む大曽根・花畑・筑穂の一帯は大穂交流センターを中心とした半径2km圏に居住・生活・交通結節機能が集積し、相互に連携しながら市民の日常生活を支えるつくば市北部の重要な拠点地域として位置づけることができる。
土地利用方針
大曽根・筑穂・花畑地区と一体的に、つくば市北部における拠点性を高め、将来都市構造であるハブアンドスポーク型都市構造を実現する土地利用を図る
スーパーシティ・スマートシティ実現のための技術検証・実証実験フィールドとして、先端的な技術を積極的に導入し、「世界の明日がみえるまち」として国内研究開発の先導的役割を果たす
SDGs未来都市として、短期的な目先の金額ではなく、長期的な都市の持続可能性を重視した土地利用とする
地区を3つに区分し、地域開発の呼び水として市による公的利用を第一期開発とする。
第二、第三期は、公共主導による土地利用を、形式的でない真の市民参加により検討する。
第二、第三期の土地利用においては定期借地権設定による民間への賃借など、50年100年先を見据えた都市開発の種地としての余地を残す
ただし、第二、第三期は社会経済動向を勘案し、状況によっては市主導で計画的に売却を図る
土地利用計画
土地利用や施設整備は非常時における利用を前提とし、非常時において最大限の機能を発揮する計画を立案し、非常施設を平常時において有効的に利活用する運用を検討する
■道の駅つくば(仮称)
廃校跡地を観光拠点として位置づけているが、学校は元来自動車アクセスを前提とした立地・設計ではないことから、自動車利用者にとって必ずしも解りやすく、利用しやすいものではない。 また地域の生活道路に不慣れな来訪者の車両が入り込むことによって、地域の安全環境が脅かされる。
そうした懸念を解消しつつ、利用者にとってアクセスしやすい場所に、筑波山を含めたつくば市北部エリアの観光・物販拠点、文化・交流拠点、サイクルツーリズム拠点として道の駅を整備する
災害発生時に最大の機能が発揮できるよう、非常時に利用しやすいことを前提に設計し、平常時の運用を考慮する「防災道の駅」として整備する
これまでつくば市が行ってきた様々な実証実験の成果の社会実装を図り、道の駅~大穂交流センター~大曽根・花畑・筑穂地区を循環する自動運転バスを導入し、地域との一体性を高める
市外高校のスクールバス発着を集積させ、道の駅に学習スペースなどを整備することで、乗換・待ち合わせ時間を有効活用できる環境を整備し、将来を担う高校生を支援する
■スポーツフィールド
パラリンピアンが日常的に活動できるフィールドとして整備する。
東京オリンピックでスイスチームの事前合宿地となった実績や浮かびあがった課題などを踏まえつつ、スポーツ合宿の拠点として活用できる施設を目指す。
障がい者にとって利用しやすい施設は、一般も含め、あらゆる人にとって利用しやすいユニバーサルデザインの施設でもあることから、パラスポーツでの利活用に重点を置いた施設を整備する。
市民や児童生徒がパラスポーツに日常的に接する環境を構築することで、ダイバーシティ・アンド・インクルージョンを推進する人材をつくばから数多く輩出できることが期待される
市内の研究機関・大学と連携し、パラスポーツを通じた障がい者用装具などの研究拠点とする。
シクロクロス等、フィールド全体を活用したサイクルイベント等を誘致・開催できるフィールドとして、「自転車のまちつくば」にふさわしいエリアとする
●芝生フィールド(防災空地)
非常時にはテントサイトとして活用する
●防災倉庫兼アリーナ(体育館)
躯体をスケルトンインフィル構造とし、内装や設備等は防災備蓄資材の平常時活用としてユニット化し、資材を保管する倉庫でありながら、アリーナとしても利用できる、つくばならではの技術を生かし、世界の明日に通じる、つくばらしい施設として整備する
●調整池(スケードボードパーク)
一期開発分(道の駅)の流出調整は地下貯留槽として整備する。
地上部は、敷地全面を開発したと仮定した場合でも流出調整が可能となる規模の掘り込みを行い、平時はスケートボード・BMXフリースタイルなどアーバンスポーツ施設として利用する。
地下貯留・掘込貯留の二段施設として整備することにより、平常時の流出抑制とアーバンスポーツ施設の利用を両立させる
●陸上競技場(トラック)
記録が取れるトラックフィールドを整備する
周辺小中学校の運動会・体育祭等の学校行事でも利用しやすい設計とする
アクセス容易かつ敷地にゆとりのある場所で学校行事を開催することにより、行事時の駐車問題を解消しつつ、保護者の学校行事への参加を容易にする
スタンドは鋼矢板を使った土構造や鋼管パイプ等による仮設構造として構築し、災害時に容易に撤去して活用空間を拡大できるようにするとともに、解体したスタンドに用いられていた資材は復旧復興資材として転用できるようにすることで、所蔵・収容のためだけの倉庫を不要とする
●宿泊・研修・研究棟
パラスポーツ合宿に必要な宿泊施設や研修施設を整備する
バリアフリー・ユニバーサルデザイン等の研究を集約できる施設として整備する
災害時には、避難生活を送れる施設として活用する
●周回ジョギングコース
ゆとりある幅員で走りやすい舗装材を用いたコースを設営する
周辺の小中学校で行われる持久走大会などを開催できるようにすることで、道路使用許可等の学校・保護者の負担を軽減し、道路交通の安全に配慮しつつ、保護者の観覧性を向上させる。
■VAN泊フィールド
つくば市が2019年に開催した「つくばVAN泊」では、SDGs達成に向け「バンライフ」に果たせる役割があることが認識され、持続可能でかつ包摂的な社会の実現に貢献すべきという「つくばバンライフ共同声明」が発せられた。
この「共同声明」を踏まえ、「つくばVAN泊」での検証において示された課題に対し、先導的な解決法方を全国に先がけて示し、「バンライフ」を通じた持続可能でかつ包摂的な社会の実現は、つくば市が「世界の明日が見えるまち」として果たすべき役割である。
そのため幹線道路に面し自動車アクセスに優れ、研究学園都市の中に整備され生活利便施設が集積する筑穂市街地や伝統ある大曽根市街地に隣接する当地に、SDGs未来都市にふさわしい「バンライフ」に必要な機能を備えた持続可能な未来の暮らし方を実践できるフィールド「VAN泊フィールド」を整備することで、新たな関係人口をつくり、まち・ひと・しごとのあらゆる側面で、能動的な交流や関わりの創出を目指すものである。
また「バンライフ」に必要な機能や施設は、災害時の車中泊避難にも対応できるものである。
本施設は災害時土地利用の平時利用を想定しているため、平常時における富裕層の楽しみ方であるグランピングのような施設は導入しない
参考)
○五十嵐立青(つくば市長)【つくばVAN泊 開催決定!】
○つくばVAN泊「テクノロジー×自然と共に暮らす 世界のあしたの暮らし展示場」
○つくば市で「VAN泊」開催!世界のあしたの暮らし方
○一般社団法人日本モバイル建築協会
■防災アミューズメントパーク
○重機テーマパーク
災害時に派遣できる小型重機を設備として所有し、敷地内に様々な災害現場を想定した環境を自由に構築し、重機ボランティア(オペレーター)を育成する
フィールド内は現況復旧を不要とし、自由に使える場として、防災系研究機関と連携した実証実験フィールドとしても活用する
茨城県内に工場のある建設機械メーカーや、建機レンタル事業者、市内のゼネコン・コンサルタント系研究機関などに人材の派遣や機材提供、運営を委託するなど、民間との協力ですすめる
○プレイパーク
既存樹木等を活用した常設プレイパークを開設する
参考)
○ライフアミューズメントパークnuovo
○NHK 明日をまもるナビ「災害時に頼れるヤツ…それは、重機!」
■その他
○高等学校整備用地として
敷地内のさまざまな施設を活用し、市内の研究機関や企業と連携しつつ、世界の明日を担い、SDGsを支える人材を輩出できる、「世界の明日がみえる」つくば市ならではの高等学校の整備を検討する(防災人材育成、スポーツ研究・指導人材育成など)
土地利用イメージ図
以上の計画を敷地内に配置した土地利用イメージは以下の通り。
参考)
旧総合運動公園用地南側防災拠点イメージ図
整備計画
第0期 基本基盤整備
基盤整備は段階的に行うものとして、まず第一期整備に必要な周辺インフラの改良を行うとともに、必要最小限の整地(伐採・抜根・粗造成)については、「世界の明日が見えるまち」として、ICT施工・無人化施工の実証段階レベルの技術を積極的に導入し、技術開発と基盤整備を同時に推進する
第1期 公共的整備
つくば市にないもので、地域の活力や雇用を創出する「道の駅」を各施設として優先整備する。調整池は必要最低限の容量を整備するが、周辺整備の進展に対応できるよう拡大余地を周囲に確保する。(場合によっては第二調整池の整備を要する)
VAN泊フィールドは、非常時における電源確保・取り出しが容易になる配置を計画する。
第2期以降
第2期以降については多くの市民に参加してもらい、市民に歓迎される利用を図る。