【書評】パワーポイント スライドデザインのセオリー
技術評論社
藤田 尚俊
2017/09/27
私のppt資料作成関連分野でバイブル的な本です。元々本で所有していたのですが、会社に持って行って同僚にお勧めしてフリーに読んでいい配置にしていたところ、いつの間にか紛失してしまっていました。今回教育の一環で資料作成についてもカリキュラムを設ける予定ですが、課題図書として選定し、再度買いなおして読了いたしました。
基本的には知っている内容なので、当然新しい発見はないです。が、タイトルの通りセオリーとその「なぞり方」から教えてくれる良書です。一周読んでフムフム。二周目で指示通りに諸々の初期設定を施し、テンプレートとレイアウトを作成。三周しながら実際の資料に落とし込んでみるとあら不思議、なんだかそれなりのセンスに見える資料が完成します。
守破離(しゅはり)という言葉がありますが、ご存じでしょうか。物事を修める順序を示した言葉で、「守」では教えを守り、模倣をして基本を習得します。「破」では良い意味で線引きや限界を破り、教えを超えていきます。「離」では教えを離れ、別のものとして新たな自己流が出来上がるというわけです。現在私が使用しているテンプレートは当初より進化させつつもシンプルにしているものですが、原点はやはりこの本にあります。まずはこの本の示す教えを「守」ることで、文字通りセオリーを体得できるものと感じます。
ちなみにあくまでスライドデザインにフォーカスした内容です。pptによるプレゼンは、ストーリーライン・デザイン・デリバリーの3つの要素があると考えています。ストーリーライン・デリバリーについては一切触れていませんので、あくまで見た目を仕上がり良くするためのセオリーが学べるものとご理解ください。ただpptはビジュアルで訴えるツールなので、ビジネスとは言えデザインを舐めてはいけないと思います。うちの会社なんかは特にその辺理解が無いと痛感しているので、営業力強化に直結すると確信しております。読むべし。