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脱北者野球チーム、アメリカへ行く part2

記事を開いてくださりありがとうございます。
今回は、仁川空港での出来事などを簡単に説明する記事にしようかなと思っております。おい、むしろ余談がメインじゃないか!と思われるpart1の前記事はこちらからどうぞ。


仁川空港

 7月18日、朝から大荒れの天気でしたが、自分は早めに第2ターミナル近くのホテルを出発して、前記事で紹介した仁川のカフェへ向かうことにしました。スーツケース2つ持っていましたので、このあと乗るアシアナ航空が就役している仁川空港の第1ターミナルにある한진택배で集合時間まで保管してもらうことにしました。幸い、アシアナ航空のカウンター近くにひとつありましたので、移動もかなり助かりました。
 カフェから仁川空港に戻ったのは15時半ぐらいでしょうか。軽く遅めの昼ご飯をとり、東横インに充電器の忘れ物をしていないか電話確認(忘れていたようでした)をしていたらあっという間に集合時間になりました。

 今回の訪米メンバーの選手の中には、自分がコーチしていた時代の選手も多く参加していましたが、一部のメンバーは初めてお会いしました。また、団体のマネージャーさん(的なポジション)とは、前日に事務所でお会いしたのですが、超絶人見知りを発揮してあまりしゃべることができませんでした。(滞在中にかなり仲良くなれました。)
 米国滞在中の自分たちの姿を撮る撮影スタッフさんも合流し、今回の訪米に向けての軽いミーティングと、横断幕を持って出発する姿の撮影を終えたら、いよいよチェックインです。しかし、ここで大問題が発生します。

 空港には自動チェックイン機があり、それを通してしようとしたのですが、航空券の予約の仕方的にどうやらグループがあったらしく、その人たちのパスポートを集めて一度に航空券を発券しないといけませんでした。しかし、自分のグループになっていた子がご飯を食べに行ってしまい、パスポート持ってくるまでに時間がかかりました。近くにいた職員さんから、団体で荷物が多ければ、自動チェックインよりもカウンターに行ったほうが良いとのアドバイスもあり、みんなでチェックインカウンターに並ぶことに。

 韓国ーアメリカ路線のエコノミークラスは、23キロ×2までのスーツケースは無料で預けることができるということで、荷物が一つしかない人に野球道具などのカバンを振り分け、なんとかチェックインを終えることができ、少しだけチェックインカウンター近くで休んでいると、「フライトの遅延」のお知らせが来ました。朝からの大荒れの天気、スムーズにいかないチェックイン、フライトの遅延と、ここだけでもかなり疲労がたまっている自分ですが、またまたもう一つ問題が発生します。

 問題になったのは、学生の兵役義務と出国です。脱北者と兵役義務に関しては、いつかまた記事を書いてみたいとは思いますが、兵役義務者が旅行する際には、許可が必要とのことで、至急仁川空港にある兵役の民願センターへ赴くことになりました。海外に行ってそのまま韓国に帰国しなければ、兵役逃れとなってしまうため、今回の出国はそうではないと証明する必要があるということになります。幸い、当該の学生の子は無事に許可は下りて出国することはできました。この点に関しては、自分も盲点だったので勉強になりましたし、おそらくいつか来る次回の海外遠征時に、団体の中でチェックしておく情報の一つになったと思います。待ち時間の間、マイレージ加算申請する人や、撮影スタッフに指示で撮影されている子などいました。

マネージャーさんにマイレージ清算されているところを撮られていました。なぜに!?

 よし、これでみんな出国できるぞ!と思い、ソファから腰を上げると、仁川空港名物の保安検査と出国審査の大行列が待っていました。こればかりは仕方ないので、早く抜け出したい気持ちを抑えて列に並びます。入口のところで、スマートパスの案内もあったので、一部の子はそれを利用して少し先に入りましたが、それでも人が多くてなかなか進むことはできません。
 やっとの思いで出国審査を終えて搭乗口に行きますが、遅延していることもあり、少しだけ腹ごしらえする学生らもいたり、ソファで少し休む子もいたりと、搭乗開始までゆったりと時間を過ごしていました。

ついにフライト

 自分たちの飛行機は、OZ224便で、21時予定フライトの予定でしたが、30分から40分遅れで離陸しました。海外は韓国しか行ったことがなかった自分にとって、初めてのアメリカ、初めての韓国以外の国へのフライトとなりました。搭乗開始までの待ち時間で、学生たちに海外旅行について聞いたところ、やはり初めての学生も多かったです。けど、みんなネックピローを持っていたり、まさかのブランケットを持参する子もいたりと、フライトの準備は万端でした。彼らにとって初海外がアメリカというのも貴重な体験になったと思います。

 座席は、大体グループみたく固まっている子もいれば、少し離れている子もいました。自分の場合は、40のJ席でかなり後ろ目で、3列の真ん中でした。糖尿病の薬を服用しているので、お手洗いに近かったのは助かりましたが、真ん中の席なので少しだけ気まずかったです。フライト中は、機内Wi-Fiのサービスも提供されていたので、何時間のプランを購入するか迷いましたが、コスパを考えて無制限のを選び、SNSや家族とのラインなどを楽しんでいました。

 離陸してから1時間ほど経った頃でしょうか?機内食タイムの時間です。これが噂の「ビーフorチキン?」か!と感じながら、自分はチキンを注文しました。チキンのタレの味はちょっと濃かったですが、サラダに、ケーキにパンまでついてきて、え、この時間にこの量を食べるの?と思いつつ完食しました。離陸前にドーナツ2個とサラダなんて食べるんではなかったとちょっと後悔していました。

1回目の機内食

 機内食、食後のコーヒーを楽しんでいると、日本・韓国時間ではあっというまに0時ちかくになっていきます。座席のモニターでは、映画やドラマ、音楽、ゲームなどを楽しむことができましたが、自分はフライト情報を見ていました。立体的に表示されて今どこら辺を飛行しているのか、飛行ルートはどうなのかを見ることができました。

フライト情報1
フライト情報2

 アメリカ到着時間は、アメリカ現地時間で夜中ということもあり、できるだけ完徹していこうと思ってはいたのですが、ご飯を食べたら眠くなるのが人間ですよね。いつの間にか数時間寝ていました。YouTubeのオフライン動画を見たり、音楽を聴いたり、ネットフリックスのダウンロードした映画を見たりして時間をつぶしていましたが、それでもフライト15時間というのはやはり長い長いです。

 待ちに待った2回目の機内食です。今回は海鮮か豚肉の選択で、豚肉を選びました。やはりこちらも味が濃い!!そしてケーキも甘くて、韓国行く前の定期健診でいくら糖尿病の数値が良かったとはいえ、ここまで食べても大丈夫なのか?という不安を抱えながらも完食しました。美味しかったです。

2回目の機内食
到着まであと少し!

 機内食も食べ終わり、窓の外を見ると、きれいな夜景を見ることができました。いよいよアメリカに入国か。入国審査の英語大丈夫かな。と、不安になりながらも、飛行機は無事に着陸しました。しかし、座席は最後尾です。ゆっくり出ていきました。

夜景を撮るのは難しいですね

 遅延した分、アメリカ到着も夜遅くで、入国審査もある程度の人の列がありました。13日の渡韓で、仁川空港での入国審査では1時間半近く待っていたのですが、アメリカの場合はそれでも40分ぐらい待って順番が来たと思います。思っていたより早く入国できたのは幸いでした。荷物をピックアップして到着ロビーに出ると、そこにはアメリカ在住の理事の方がボードを持って出迎えに来てくれていました。
 撮影スタッフの指示のもと、到着ロビーに出てくる姿を撮影したり、到着の団体記念写真を撮って、ニュージャージー州にあるホテルへ向かうバスへと移動しました。やはり疲れているのか、バスの中では寝ている子も多く、バスは静かにホテルへと向かいます。

Photo by マネージャーさん
米滞在中お世話になった団体バス

 今回は仁川空港でのドタバタ劇と、フライト中のことをメインに書いてみました。人生初の長時間フライトでしたので様々な体験ができて新鮮でしたし、初めての海外にわくわくしている学生らの姿は、なんだか親目線で見守ることができました。数日後、彼らにとあることをされるとはこの時は何も知らずに….

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