一見さんお断りのお店
「村上開進堂」という洋菓子店をご存じでしょうか。
私が京都に住む大学生だったころ、何かの雑誌で会員に紹介してもらわないと買えない、という記事を見かけました。
地方から京都に出てきてバイト先の怖いおばちゃんにいけずの洗礼も受け、バチバチにやさぐれていた私は「そんないけずするのは京都の店に違いない」と思ったことを覚えています。
ある日、散歩中に長年歴史背負ってやってます!という風情の「村上開進堂」を見かけてこわごわ入ってみたら、普通にお菓子を売ってくれそうな雰囲気なのです。先客のおばあちゃんもその場で注文していて、とても「紹介を受けて何か月も待ったクッキーを買いに来た」という感じではありません。
「もしかして今日は一般客にもお菓子を売ってくれる特別な日なのかもしれない」
そう思って1こずつ、いくつかのお菓子を買ってとても「いい買い物をした」と満足していた私。贅沢をしよう!とそのまま河原町まで歩いて高島屋の地下で普段1リットルの牛乳に払う値段のコーヒー牛乳(200ミリリットルくらい)を買い、鴨川に並ぶカップルから距離を取りながら、「今日ばかりはそのイチャイチャも許してやる…」とおいしいお菓子を食べたのでした。
しかし。
一見さんお断りのお店とは、京都の村上開進堂ではなく、東京の村上開進堂で、各々歴史があるけれども関係のない別のお店であることに12年越しくらいに気が付いたのです。
その東京の村上開進堂の横には、東京に伝手などないがその味に憧れるかわいそうな庶民(とお店の人は思っていないかもしれないけれど)のためのオーナーのお店、「山本道子の店」なるお店があり、12年越しに雑誌で見た「一見さんお断りの村上開進堂」のクッキーを買ったので、思い立ってnoteに思いを吐き出そうと思ったのでした。まだ勿体なくて開けてない。
なんで、東京のほうがいけずやねん。。。
これを言いたかった。でもコロナだし誰にも言えないし。東京で就職して十数年、バイトで鍛えた関西弁は封印してきた。標準語の私がこんな関西弁で憤っている事を知られるわけにはいかない。
しかし私の4年の短い関西在住経験が怒りを止められへんのや。こないいけず言うて許されるんは京都だけやろ!!!
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