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【TCG】ヤモト=サンのデッキを組みてえんだ【#ニンジャスレイヤー222】

 ドーモ。サティスファクションです。ニンジャスレイヤーTCGのプレイヤーとして、そのように名乗ることにしました。 #ニンジャスレイヤー222 に向けてテキストを書くのはセツブン恵方巻エピソードを捏造したとき以来で、4年ぶりとなります。

 ニンジャヘッズであると同時にデュエリストでもある私は、ニンジャスレイヤーTCG発売決定の報せに狂喜乱舞しました。そしてデュエリストであると同時にヤモティストでもある私は、ニンジャスレイヤーTCGの詳細がまったく明かされていないうちから、ひとつの考えにニューロンを支配されていました。

 (((ヤモト=サンのデッキが組みてえ……)))


宇宙は1枚のカードから生まれた

 その後、体験版デッキ及び店舗PRカードのリリースに伴い、キャラクターカード《ヤモト・コキ》の詳細も明らかとなりました。

 まずはイラストと台詞。未だ記憶に新しいブラックフライデー=サンの恐るべき所業により、書籍ECプラットフォームを混沌に陥れたコミカライズ版『ニンジャスレイヤー』各巻。その一角で異彩を放つ第2巻『ラスト・ガール・スタンディング(イチ)』表紙イラスト……余湖=センセイ版ヤモト=サンの人間性と神秘性を1枚絵で最も端的に伝える究極の視覚表現の右端に奥ゆかしく配置されしは、同エピソード最強の台詞(最強というのはこの世にたくさんある尺度のひとつに過ぎず、私が勝手に言っているだけです)。世界中のヤモティストが歓喜にブチ上がったのは貴方も想像に難くないはずです。

 なおカードとしてのヤモト=サンの性能面については、なにしろセーラー服を着用している時代なので、比較的奥ゆかしいステータスを有しています。能力は個人的には意外な「回復」。2024/2の体験版カードプールではヤモト=サンをエースとする戦術は基本的に成立しません。しかしそれでもヤモト=サンのデッキが組みてえ……その思いは変わりませんでした。

どんなカードにも必要とされる役割がある

デッキ【ヤモト・コキ】

 ヤモト=サンデッキについては未だ試行錯誤の途上にありますが、以下では現状の構築理念と構築内容を整理します。《ヤモト・コキ》というカードには以下の特色があると言えます。

・「回復」の能力
 →爆発四散(敗北)までに受けてよいダメージが増える
 →「ウケミ」能力エントリー回数の期待値が増える
・登場に必要なコストが低い
 →他のキャラクターと並べたりエテルを温存したりできる

 これらを踏まえ、以下の方向性でデッキを組んでいきました。

構築理念:
①「ウケミ」持ちカードは16枚フル投入必須
②コトダマカードを多めに入れる
 ※現状、非「ウケミ」コトダマは暴力カード《囲んで棒で叩く》のみ
③キャラクターは低コスト中心とする

 ①と②については一般的なデッキ構築の考え方と重なっているかと思います。差別化がなされているとするならば③の部分。ひとまずこんな感じの構築になりました。

不採用カードについて

 デッキ構築を説明する際、体験版デッキを持つ者同士では「どのカードを不採用としたか」を述べるのが手っ取り早いと思われます。私は体験版デッキ×2に加え店舗PRカード1セット(《ニンジャスレイヤー》及び《ヤモト・コキ》)の計52枚を所持していますが、今回不採用としたのは下記12枚のカードたちです。

《ナンシー・リー》×4(0枚採用)
《ニンジャスレイヤー◆共振状態》×1(3枚採用)
《ニンジャスレイヤー》(コスト2のやつ)×1(2枚採用)
《ニンジャスレイヤー◆飛翔》×2(2枚採用)
《ビーハイヴ》×3(1枚採用)
《ヤモト・コキ》×1(4枚採用)※ルール上の制限による

●ナンシー=サンについて
 《ナンシー・リー》は自分フィールド上にニンジャスレイヤー=サンが存在する場合にノーコストで登場し、1ドローしながらプレイヤーに2点のダメージを与える強力無比なカードであり、2024/2体験版カードプールは謂わば「フジキド・ナンシー環境」であると言えます。通常であれば採用しない択はありませんが、ヤモト=サンを中心に考える私のデッキにおいては、以下の理由により思い切って不採用としました。

・低コストキャラクターを中心とする構築理念によるニンジャスレイヤー=サンの採用枚数減
・同じコスト2で上級ニンジャスレイヤー=サンを処理できるシルバーカラス=サンを優先
・回復を多用することによるデッキ切れ敗北リスクの懸念

●ニンジャスレイヤー=サンについて
 ウケミ、コトダマ計20枚をフル投入する前提において、ニンジャスレイヤー=サン及びナンシー=サン以外のカードを活用しようとするならば、必然的にニンジャスレイヤー=サンの枚数を絞ることになります。低コストキャラクターを中心とする構築理念に基づくならばコスト3《ニンジャスレイヤー◆カラテ》及びコスト4《ニンジャスレイヤー◆飛翔》を減らしていくことになりますが、《ニンジャスレイヤー◆カラテ》は隔絶した強さにより例外的にフル投入しています。カラテフジキドのアイサツ時能力でアンタイ・オジギしたエテルを用いて相手ターンに《囲んで棒で叩く》などのコトダマカードを使っていく動き(以下「カラテ暴力システム」と呼称します)は現環境において最強を通り越して基本戦術と言えます。

●ビーハイヴ=サンについて
 ビーハイヴ=サンの枚数については、本能的に減らしたため現在1枚採用としていますが、調整の余地があると感じています。現在のフジキド・ナンシー環境においてビーハイヴ=サンが持つ以下の利点を踏まえ、コスト2ニンジャスレイヤー=サンを外してビーハイヴ=サンを増やすかどうか検討中です。

・ノーコストで登場し、1ダメージもしくは相手フィールドのナンシー=サンを処理できる
・ニンジャスレイヤー=サンをはじめとした敵ニンジャのヘイトレッドを引きつけてくれる
・一応、インターラプト能力によりナンシー=サン2枚分のプレイヤーへのアイサツを阻止できる

 以上のように、まだ調整の余地はありますが、ある程度納得のいくデッキを組むことができたと思います。結局のところ実際の対戦で何を引くか、ダメージ時に何がめくれるかは確率に左右されます。我々モータルの人生というスパンでは大数の法則に乗るほどの試行回数をこなすことはできませんので、デッキ構築に正解を定義することはできません。最後はある種の割り切りというか、カードゲームアニメで言うところの「自分のデッキを信じる」ということが最も重要です。

基本戦術

 この項は自分の頭の中の整理のために書いており、上記の構築を踏まえているため、読んでおられる貴方のお役には立たないかもしれません。

●序盤(エテル1~2枚)
 《ニンジャスレイヤー◆共振状態》や《ビーハイヴ》、引いてしまった《ユカノ》などを登場させ、どちらかといえば相手のキャラクターを削っていきます。コトダマは一切使用せず温存し、手札にコトダマ、《シルバーカラス》及び《ニンジャスレイヤー◆カラテ》といった中盤のキーカードを貯めながら戦います。ヤモト=サンの回復ができる場合は積極的に使っていき、ライフでも優位に立てると上々です。

●中盤以降(エテル3枚~)
 ここからはカラテ暴力システムが鍵を握ってきます。先攻の場合は(自ターンで数えて)3ターン目で先にカラテフジキドを着地させてアイサツに成功すれば相手に圧力をかけることができます。逆に後攻では相手の3ターン目カラテフジキド着地に対しアイサツを止める手段がないに等しい(止めようと思ったら後攻2ターン目でビーハイヴ=サンしか出せない)ため、返しのターンに死ぬ気でカラテフジキドを排除しなければなりません。序盤でキャラクターを削りに行きたいのはこの局面でカラテフジキド排除に専念するためです。相手のコトダマをケアしながら、以下のいずれかを試みます。できる手札でなければ、もしくは通らなければ、徐々に不利ジリー・プアーとなることが避けられません。

・《シルバーカラス》の能力により自身のカラテを7まで上昇させて殴る(キリモミ回転ジャンプケア)
・こちらもカラテフジキドを出して殴る(暴力の構え、スリケンを持っていればキリモミケアも可能)
・《シルバーカラス》ともうひとりコスト1カラテ3のキャラクターを出し、カラテ5×2体で殴る(キリモミ、スリケン、暴力ケア)

 エテル4以上になると、さらに低コストニンジャの天敵・《ニンジャスレイヤー◆飛翔》の恐怖におびえることとなります。こちらは着地時の能力については止めようがないため、イクサフェイズを凌ぐことを考えていきます。ヤモト=サンによる回復がある程度できていれば、飛翔フジキドの猛攻をコトダマなしで耐えることもできるかもしれません。しかし飛翔フジキドもまた耐久が5あり、返しのターンで排除しなければやはり徐々に不利ジリー・プアーとなるでしょう。また、飛翔フジキド単独ではカラテフジキドを殺せず、カラテフジキドは飛翔フジキドをワンパンできるので、カラテ暴力システムがここでも戦局を左右します。

 これら上級ニンジャスレイヤー=サンを捌ききり、相手が疲弊した状態でこちらが数を揃えて殴りに行けたら勝利が見えてくる、というプランです。

 ウケミについては計算に入れることができないのですが、自分の《キリモミ回転ジャンプ》がめくれた場合、手札に戻す1体について少し考える必要があります。相手のキャラクターについては戻して足踏みさせたほうがよい場合と、場に置いて狩りに行ったほうがよい場合とがあります。自分のキャラクター(ヤモト=サンやシルバーカラス=サンなど)を戻して能力を使い回すという状況判断もあり得ると思います。

果てしなく続くオレ達の闘いのロード

 前述のデッキを携えて、2/24レディオ後のエキシビション戦に挑ませていただきました。やはり実際に対戦してみて得られるものもあるというのもありますが、何より純粋にチョー楽しい。最後の1ダメージが通るまで何が起こるかわからない、勝ち負けを超えたワクワクがそこにはありました。以下、対戦内容に関する所感です。

プラン通りに進むと思ってはならない

 対戦をご覧になった方は、まずこのデッキが【ヤモト・コキ】だと思わなかったことでしょう。フル投入したヤモト=サンは序盤の手札にはなく、ダメージでめくれ、結局終盤に1回能力をエントリーするに留まっていたかと思います。このゲームは現状デッキの特定カードにアクセスする能力が存在しないため、キーカードに位置付けたカードも所詮、40枚中4枚を直接ドローするしかありません。現環境の最重要カードであるカラテフジキドも例外ではありません。

 軽量級ニンジャを引けずに序盤のゲームメイクに失敗した私はあわや一方的殺戮という窮地に立ちますが、中盤のカラテ暴力システム構築から息を吹き返し、勝負は終盤、血みどろの削り合いにもつれ込んでいきました。

後悔は死んでからすればよい

 今回の対戦において、私の状況判断はたまたま結果的にプラス側へと働き、一時はライフ残り1の場面から《囲んで棒で叩く》の撃ち合いの末に逆転勝利を収めました。これは本当にこのゲームのよくできているところですが、どんな局面からでも盤面を読み切る、詰みに持って行くということがほぼ不可能です。コトダマカードにしてもウケミにしても、4種それぞれに対して必要なケアがまったく異なるため、攻め方を間違えれば苦しい状況に陥ります。相手の残りライフを取りに行く判断ですら、結果的に間違いとなることもあります。しかし攻めなければ何も始まらないため、自分なりの意図を持って切り込んでいかなければなりません。ニンジャスレイヤー=サンが言うところの「後悔は死んでからすればよい」の精神です。

やはりナンシー=サンはヤバイ級

 相手の場にナンシー=サンが1度だけ出てきたのですが、やはり圧力がヤバイです。たしか既にカラテ暴力システムが回っていて、スリケンを投げるなどして速やかに処理したかと思うのですが、ドローされるのと2ダメージとがコワイすぎて撃たされた感がありました。私のデッキにおいてもナンシー=サンの採否は悩み続けることになるでしょう。

 夜遅くだったにもかかわらず対戦の場をセッティングしてくださった杉ライカ=サン(原作サイドだが「買う側」の存在)、本当にありがとうございました。あの対戦でいよいよ完全にニンジャスレイヤーTCGにハマりました。

未来へ

 ヤモト=サンデッキの今後の展望としては、現状の体験版カードプールにおける構築及びプレイングを引き続き考えつつ、6月の製品版においてどのような新規カードが出るかを楽しみにしています。ネオサイタマ炎上編が中心かと(勝手に)思っているので地獄戦士までは行かないまでも、イアイドーを授かったり、簡易古事記(ルールブック)にもしれっと書かれている「ジツ」の存在など、何らかの上振れがあるのではないかと妄想しています。

 しかしこのミニマルなカードプールで死力を尽くす現在の体験版環境も非常に良さがあるため、製品版発売後もたまに体験版レギュレーションで遊んでみるのも面白いかも……どうなんでしょう?

未来の貴方自身なのです

 最後に、本稿を読んでいる貴方がもしニンジャスレイヤーTCGを未所持もしくは所持カードが40枚未満であれば、ぜひ40枚デッキを組み、フル・ルールでの対戦に挑んでみていただきたいです。

 40枚デッキの構築にはコンプティーク3月号が2冊必要であり、特典や付録目当てで同一の書籍類を複数購入することには私自身も心理的ハードルがありますが、2,400円でTCGのデッキ1個が作れるというのは破格であり、十分購入に値すると思います。

 また、ルールに関して専門用語が多くてパッと見わかりづらい印象を持たれた方もおられるかと思います。別のカードゲーム(遊☆戯☆王OCG)をやっている私から見てもまったく未知のルールだったのですが、「実際遊んでみればなんかいける」というのが率直な感想でした。ニンジャスレイヤーTCGでは現状、複雑な能力の処理が特に存在しないため、なんかその場のノリでやってみれば案外うまく行きます。

 さらに、カードゲームの本質的な課題である「いっしょに遊ぶ友達が付属してない問題」については、ニンジャスレイヤー関連コンテンツにおいて問題とならないことを貴方は既に知っています。しよう。以上です。

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