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不法滞在した外国人はどうなるか


今回は、かつて日本で暮らし私たちとお付き合いのあったある外国人の夫婦が、在留期限を過ぎても日本に滞在し続け、ある日警察に捕まって勾留され、その後帰国するまでのお話しを書いてみようと思います


今から4〜5年ほど前、A氏は妻と共に来日し、製造系の工場で派遣社員として働いていました。マンションの一室を借り、同国籍のもう一組の夫婦とシェアをして4人で暮らしていました

日本で暮らし始めてが2年ほど経ったある時、A夫婦の在留資格の期限が迫っていました。二人はもう少し日本にいて働き続けたいと思い「行けるところまでやってみよう」と話し合って在留期限が過ぎてもそのまま日本に居続けました。しかし同じ仕事を続けることはできません。それまで働いていたところは、不法滞在の外国人を雇ってはくれないからです。仕事は在留期限が来る前に辞め、どこで知ったか闇のブローカーに連絡をして不法滞在の外国人を雇ってくれる仕事を紹介してもらって働き始めました。私は後にA氏からこの件について詳しい話を聞いたので「その仕事」についても聞いていますが、ここでは念のため、職種などは伏せておこうと思います。(その仕事は全く怪しい仕事ではなく、ごく普通の仕事です)


A夫妻は高校生のアルバイト以下のような時給で毎日12時間以上働きました。身体がキツくて夫の方は音をあげて「辞めたい」と言いました。妻の方は「私はまだまだ全然行ける」と言いました。しかし夫の方がもう無理だったので2人揃ってその仕事を辞めることにしました

夫婦が辞めることを告げると闇のブローカーは「急に言われても困る。それなら給料は払わない」と言って、それまで2人が働いた分の給与を支払ってくれませんでした。夫婦は驚き、怒りましたが何分不法滞在の身、誰かに訴えてどうにかすることもできずに諦めるしかありませんでした
「さてこれからどうしよう?」と考えただ部屋で過ごすしかない日々がしばらくの間続いたある日、A夫婦と同居していたもう一組の夫婦の夫、B氏が普段通り近所のスーパーに出掛けた帰り、マンションのすぐ下で制服の警察官2人に声をかけられました。パスポートを見せるよう求められ、B氏がその場には持っていないと話すと警察官は自宅まで一緒に行くので確認させてほしいと言うではありませんか。B氏と警察官2人は、2組の夫婦、4人が暮らすマンションの部屋へと向かうことになりました。

つづく



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